ただの先輩・後輩の関係じゃない。LIMを離れても刺激を与え続ける二人。 「あの人に会いたい」美容師×美容師の化学反応 第10回 フリーランス(元CODE+LIM店長)嶋津一馬さん×CODE+LIMワタローさん
「正直、嶋津さんの後輩という立場が居心地よかった」(ワタロー)
ワタロー:SNSを見ていて、嶋津さんは本当に生き生きしているなぁと。辞める前も生き生きとしていましたけれど。ただ、僕は嶋津さんがいなくなって、なんとなく心に穴が空いていました。やっぱり、嶋津さんの後輩という立場が居心地良かった部分もありましたし。「あと1年、サロンを盛り上げてからでもいいんじゃないですか」って言いましたしね。
嶋津:でも1ヶ月後にこうして会っている。
ワタロー:それこそ今日は、1ヶ月ぶりに話して、化学反応を起こしたいと思っていて。嶋津さんのSNSを見ているときは、新しい世界を見せびらかされている感覚でしたよ。だから今日は楽しく話せると思っていた。
また、1年後くらいにこういう話をしたいなって思っています。1年後には絶対、景色を変えてくると思うので。俺も負けないように動きたい。今は店長として、美容師としてしか活動していないので。もともとカメラマンやってみたいとか、いい雑念があったんですけれど、最近そういうのがなくて。嶋津さんと話すことで、このままじゃつまらないい美容師になるかもとゾッとしたんで、いい刺激になりました。
嶋津:今だから言えるけど、俺がもっと上を走っていれば、ワタローはもっと伸びていただろうなと思ってて。伸びたというか、もっといろんなことをやっていたんじゃないかと感じたことはある。もっと刺激を与えられる先輩でいたかったという気持ちはあるよ。僕は背中を見せて、その気にさせるタイプだから、言葉ではうまく伝えられない。走り続けるしかないけど、本当に走り続けられていたのかなと。でも、辞めて1ヶ月経って、こうやって話せたことで、お互いにいい方向に向かっているんじゃないかと思うことができた。
ワタロー:嶋津さんは多分、今はしゃがんでいて、ジャンプし始めている。これから嶋津さんどんどん面白くなると思います。
「店長だけど、スタッフをまとめようなんて1ミリも思っていない」(ワタロー)
嶋津:ワタローは店長に向いてないって言ってたけど、今はどうなの?
ワタロー:僕はもう店長としてスタッフをまとめようなんて1ミリも思ってないですから。みんなに暴れてほしいし、いい大人なんだから売上どうこう言いたくもないし。「みんな美容に集中しよ!」と掛け声をするくらいの店長です。
嶋津:最初、めちゃくちゃ断っていたのに。
ワタロー:クソガキだったんですよ。店長って器じゃないと思っていたし。平社員で自由に動いていたいと思っていたんです。
嶋津:弟キャラ、ナンバー2とかのポジションが多かったみたいなこと言ってたな。
ワタロー:そう。一番上になるのは嫌だったけど、変な自分の壁に囚われていることに気づいたんです。だからその後は、自分は店長になるんだと頭に刷り込んだり、脳科学の本を読んだりして。そうしているうちに「やったことがないことをやり続けることが楽しい人生なんじゃないか」と思えるようになり、実際に店長をやり始めたら思ってたよりも楽しい(笑)。今は店長が向いているなと思えるくらいです。
嶋津:ワタローはどんな店長なんやろ。
ワタロー:嶋津さんと似ています。店長が一番アクティブでいい。上が一番動いているのがこの店の武器だと思っています。僕も止まったら死ぬタイプだし。
今は別々の場所で働いていますけれど、嶋津さんとは切っても切れない縁があると思っています。ライバルっていう言い方はちょっと違うかもしれないですが、嶋津さんに刺激を与えられる自分であり続けたいです。
嶋津:ライバルって言葉が出たけど、今も普通の後輩だと思っていないし。みんなと同じ仲間なんだけれど、ワタローという存在はその中でも特別っていうか。初めて焦らされたり、脅威を感じた後輩でもあり…。刺激をたくさんもらったし、自分も刺激を与え続けたいなと。だから1年後、またじっくり話そう!
ワタロー:本当ですよ。近況報告もしてください。今日はありがとうございました!
プロフィール
嶋津一馬
滋賀県出身。ル・トーア東亜美容専門学校卒業。1店舗を経てLess is Moreに入社。CODE+LIMの店長を5年勤めたのち、フリーランスに。東京に拠点を置きつつも、福岡、札幌と移動しながらサロンワークに勤しむ。コンテポラリーダンスへの造詣も深い。
プロフィール
ワタロー
千葉県出身。ベルエポック美容専門学校卒業、LIMに入社。大阪で4年間のアシスタントを経験したのち、東京に異動。「CODE+LIM」にてジュニアスタイリスト、スタイリストを経て現在は店長を務める。ヘアメイクや美容学校の講師としても活動。