ただの先輩・後輩の関係じゃない。LIMを離れても刺激を与え続ける二人。 「あの人に会いたい」美容師×美容師の化学反応 第10回 フリーランス(元CODE+LIM店長)嶋津一馬さん×CODE+LIMワタローさん
「嶋津さんは、店長なのにモデハンを一番楽しんでいた」(ワタロー)
嶋津:なんでも言いたいことを言い合える仲だよね。ワタローは後輩なんだけれど、後輩らしくないというか。時々、すごく「ハッ」とすることを言ってくれる。
ワタロー:それはお互いさまです。
嶋津:なんというか自分とリンクする部分があると感じることが多かった。
ワタロー:嶋津さんの志の高さにも共感していました。僕も、この原宿という土地で一番目立ちたいし、話題になるサロンにしたいと思っていたので。そういう想いを全て嶋津さんは肯定してくれたんですよね。
嶋津:そうやね。考え方が近いし、ワタローと新しいことを考えたり、チャレンジしたりするときは、すごくワクワクしてた。
ワタロー:一緒にDJしたり、モデハンしたりもしましたよね。嶋津さんは店長なのにモデハンを一番楽しんでいるというか。「俺、モデハン好きやねん。負けへんで!」みたいな感じで。それはもう、俺も行かなきゃってなりますよね。
嶋津:モデハンする必要なかったけど、一度モデハンをやろうと思ったらもう止まれないんよ。僕は止まったら死んでしまうから(笑)
「僕をいい意味で焦らせる後輩は、ワタローが初めてだった」(嶋津)
嶋津:一緒にモデハンしてたのは、ワタローが伸び悩んでいた時期やね。普通の美容師なら順調と言える成長のペースだったけど、ワタローはもっと一気にいきそうやなってみんなに思われていたから、ちょっと自暴自棄みたいになっていた。
ワタロー:ディレクターとかからめっちゃ言われたんですよ。「ワタローはまだか」みたいに。
嶋津:いや実際、速攻で売れると思われていたからね。でもちょっとつまづいて、Instagramの投稿が急に荒れ出したりしていた。
ワタロー:もう見るんじゃねぇよくらいの感じでしたから。わざと変な画像をあげたりして。
嶋津:どうアドバイスしていいのか分からないから、とりあえず一緒にモデハンしてみようかって誘ったりして。体を動かして、何かやってみたら見えてくる気がして。結局、ワタローは自分の力で突き抜けていったんやけどね。
ワタローはモデルさんをスタイリングして、「え、そんな方法あったんだ」っていう作品をいっぱいアップして。新しい風を吹かせてくれてた。DJもそうやし、チラシを古着屋さんに配ったり、ヘアカタではなくアート寄りのフォトブック作ってお客さまに見せたり、誰もやってこなかったことをやっていた。
ワタロー:そういうのを作るのが好きだったんですよ。
嶋津:こんな後輩初めてだったので、いい意味で焦らされているとか、そういう感覚があった。
>「店長経験を積んで独立するという王道のやり方は違うな、と思った」(嶋津)