ハサミを置いて、ヘアケア知識を武器にする! ある男性美容師の選択
サロン全体で動いてくれたから得られた手応え
-スタイリスト時代と比べて、売り上げはどのように変化しましたか?
現在の月間お客さま数は100人程度。店販率は平均で売上の50%くらいです。正直、スタイリスト時代の売り上げにはまだ追いつけていません。でも追いつき、超えられる気配は充分感じています。トリートメントを求めて新規のお客さまがきてくださるようになりましたし、そもそもトリートメントは来店比率が高く安定しやすい。また店販率も80%や90%を目指せると思っています。
-手応えを感じるまでに苦労した点は?
まずケアリストとは何者なのかを、お客さまに知っていただくこと。それが一番大変でしたね。自分ひとりで伝えようとしても、お話しできるお客さまの数はたかが知れています。これまでの美容師人生の中ではじめて、協力者がいないと何もできないんだと痛感しました。
-どうやって理解を広めていったのですか?
まわりのスタッフからお客さまに伝えてもらうしかありませんでした。それもあってケアリストとしての最初の仕事として、サロンスタッフのヘアケアに対する意識を高めることを目指しました。サロン内セミナーを行うなどして僕の知識をスタッフに還元し、ヘアケアの価値観を高めていってもらったんです。その結果、スタッフがお客さまにヘアケアや毛髪の健康について語るようになり、そのあとに「もっと詳しい人がいるんです」というように僕を紹介してくれる流れができました。
-なるほど。まずは身内から……。
その道順に気がつくまでに、半年くらい試行錯誤しました。その後も、指名予約がコンスタントに入るようになるまでには、1年くらいかかりました。本当に、サロンをあげてスタッフのみんなが動いてくれていなかったら、叶わなかっただろうなと思っています。