JHAグランプリ受賞! 「Double」根本貴司さんに聞く美容師さんとコンテストの関係

鏡の中は常に作品。日常のサロンワークからクリエイションしていく

 

-グランプリを獲得してから、美容師のキャリアとして変わったことはありますか?

 

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仕事が増えました(笑)。ただ、僕としては今までと同じようにやっていくだけだと思っているんです。ひとつ変わった点があるとしたら、グランプリを受賞してからは、より違う視点を持ちたい、より視野を広げたいということを、今までよりも強く思うようになったかもしれませんね。お店のスタッフや関係してくださる皆さまにも喜んでいただけましたし、特に職種も違う田舎の同級生たちが大喜びでした。啖呵を切って田舎からでてきたのでみんなには感謝しています。

 

-視野を広げるために、必要なことはなんでしょうか?

 

自分の色じゃないと思うものも見たりもするし、苦手なことに取り組んだりもします。あとは、作品撮りやサロンワークで数をこなすことですね。量が足りてなくて質が伴っていることって、やはりないような気がして。とくに営業中は重要。サロンワークも立派な作品だし、鏡の中でいかにその人のベストを探るかって、ある意味、作品撮りよりも難しいと思います。時間もないので、いかに髪の毛と対話をして、作り上げていくかが大切です。特にうちのサロンでは、日常のサロンワークこそがクリエイション。そういう空間につねに身を置いていると、自然とよい作品が生まれるんです。

 

-これからの根本さんの目標や方向性を教えてください。

 

いい意味でも、悪い意味でも、ひとつに凝り固まりたくないですね。たとえば、いいと思っていたものでも一週間後にはちょっと古く感じるものもあるし、その逆もある。時代性を知って、それを追いかけるのではなく、受け入れた上でクリエイションしていきたいと思っています。だって、いくら技術があっても、スタイルが変わらなかったら「上手だけどいつも同じ髪型」とお客さまに思われ、飽きられてしまいますよね。常に新鮮なもの、新しいものを追いかけていきたいですね。

 

-最後にこれから美容師を目指す学生やアシスタントたちに向けて、アドバイスをお願いできますか?

 

つねに、いいのか、悪いのかをしつこく考えるクセをつけること。辛いのも、キツいのも一瞬なので、とにかく続けること。何かが足りないのは、人のせいじゃない。まずは美容のことをまっとうに考えて、まっとうにやっているサロンを見つけて、そこで、続けていくことが大切だと思います。共に頑張っていいスタイルを作りましょう!!

 

プロフィール
HEARTS/Double
総店長/根本 貴司(ねもと たかし)

都内3店舗を経て、HEARTSに入社。サロンワークを中心に業界誌の撮影、ヘアショーなど多岐にわたって活躍。ナチュラルな中に「少しのはみ出し」を加えたスタイルが得意。「ジャパンへアドレッシングアワーズ」では、2007年に優秀新人賞、2013年ライジングスターオブザイヤー最優秀賞、2014年準グランプリ、2015年グランプリを受賞。

(取材・文/池山 章子  撮影/QJナビ編集部)

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