160万円デビューから一転、売上低迷…。ドン底から這い上がった男。「大人美人ショート」で大ブレイクしたLond津賀雅也さんの場合
「大人美人ショート」の爆発的ヒットにより、表参道で月400万円超えのトッププレイヤーとして活躍してきた津賀雅也さん。そんな津賀さんが、表参道から福岡へと拠点を移し、経営者として新たな道を歩み始めます。新天地・福岡での出店は8月。トッププレイヤーの座を捨てて、挑戦する人生を選んだ理由とは? 幾度となく挫折を味わってきた過去を持つ津賀さんが、自身の「這い上がり術」を熱く語ってくれました。
歌手の夢破れ、絶望…。逆境から始まった美容師人生
僕の出身は北九州市です。福岡の美容専門学校を卒業後、親の手前もあって「東京で美容師をやる」と威勢よく上京したものの、本当は歌手を目指していました。運良く大手プロダクションに拾ってもらった時は、これで夢がかなうかも、と舞い上がっていて。しかしオーディションを受けても受けても芽が出ず、黒い世界も目の当たりにしましたし、まともに働いていなかったので稼ぐどころか借金が増える一方。見栄っ張りだった性格も災いし、消費者金融やクレジットカードの返済がいつしか200万円以上になって。
「同級生たちはみんな美容師になって成長しているのに、俺は止まったまま。これで音楽の夢が叶わなかったら本当にヤバくないか」
結局1年後、音楽の道はあきらめて、東京で働けるサロンを探しはじめました。でも希望のサロンには採用されず、目の前が真っ暗に。僕としては働く気マンマンでしたし、採用されることを確信していたので、奈落の底に突き落とされたようなショックを受けました。こうなったらもう東京生活を引き払って、福岡に帰ろう。実家が美容室だし、帰ればきっと母は喜んで自分を迎え入れてくれるはず…。そう思って電話しました。
すると母からは意外な一言が…。「帰ってきたら絶縁する」と。今思えば「簡単にあきらめて帰ってくるな」という激励の意味が込められていたのだと思います。
幸運にも、以前に見学させてもらったLondの社長から連絡があり、面接を受けさせてもらうことに。「ここで歌ってみてよ」という、やや無茶振りなリクエストに応えつつ、熱意を伝えてなんとか採用されました。