インド人もびっくり!? インドで美容室を経営する日本人美容師TOKUMIさんの挑戦
インドで初の日本人美容師による美容室を開業したTOKUMIさん。なぜ、言語も勝手も文化も美観も異なるインドを独立の場所にわざわざ選んだのでしょうか? 今回は、我々の想像をはるかに超えるインド人もびっくり!? なTOKUMIさんの仰天美容ライフをご紹介します。
『インドに美容学校をつくりたい』という閃きが、人生の転機になった
-インドに行くまでは、どんな美容師人生を送っていたのでしょうか?
「大阪心斎橋のサロンで長年トップスタイリストを務め、サロンワークの傍らヘアショーやセミナー、雑誌のヘアカタログの撮影などもこなす日々を送っていました。サロンである程度のポジションに上がってからも、コンテストや勉強会など積極的に参加して自分の成長につながる努力は続けてきましたが、今一歩『やりがい』を感じられない日々を過ごしていたんです。
そんなとき、あるご縁でインドのデリーにヘアサロンを作る話が舞い込んできました。生活は安定しているけど、まだ半分以上もある人生を考えると何かとても窮屈な気分だった僕は、その話を聞いてなぜか『インドに美容学校をつくりたい』と閃いたんです。ほんと単なる思い付きだったんですが、なんででしょうね(笑)」
-そのご縁から、どんな経緯でインドでサロン開業となったのでしょうか?
「インドで店を出す話があがったのが2010年頃のこと。某大手企業が当時働いていた会社(サロン)に持ちかけてきた話だったんですが、結局、それは頓挫してしまいました。その後も別の話をいただいて実現しかけ、僕も現地に乗り込んでいよいよオープン前日というタイミングで『この話は無かったことにしてくれ』と、インド人オーナーが突然、説明もなく契約破棄したんです。もう訳が分からず『何なんこれは?』という状況でしたね。後でお客さまにこの話をすると『インド人らしい…』とよく言われますが、度を越していますよね(笑)」
-その時点ではまだ以前のサロンに勤めていたわけですが、独立するきっかけは何だったのでしょうか?
「仕事の話がなくなったあとも諸事情ですぐ帰国できず、日本に帰るまで『出張美容師』をしていたんです。日本食スーパーに告知のポスターを貼らせてもらって、手探りで始めました。でも、予約が全然入らなくて電話が鳴るのが10日ぶりということもよくありました。すごく大変な思いもしましたが、でも、この時に仕事のありがたさを本当に身に染みて感じたし、美容師していて本当に良かったと改めて思いましたね。
同時に、『やっぱりサロンでクオリティーの高い仕事をやりたい』っていう気持ちが相当高まり始めたんです。その後、当時働いていたサロンの社長に『インドでサロンを作ろう』っていう話を持ち掛けたのですが、賛同が得られず、結果、独立の道を選択しました」