imaii 有村雅弘さんの“一番古い”お客さま—感性でつながる2人
遠慮なくやりたいことを主張し合える人—お客さまから見た有村さん
ここ数年ヘアモデルの機会をいただき、有村さんだけでなく他のimaiiスタッフの方のカットも体験させていただいています。同じような髪型を切るのでも、みなさまの性格の違いを感じるんですよね。
そんな中で有村さんは、やっぱり芸術家肌。
つくるスタイルもそうですし、引き出しの多さにもそれを感じます。そんなに多く会話をするわけでもないのに、私の気持ちを察して、ぴったりのヘアを提案してくださるのもそう。長く担当しているから「わかる」のではなく、今の気分を「感じて」くださっているのでしょうね。
安心してお任せもできるし、無理なお願いも遠慮なくできる。有村さんとのそんな関係を楽しませていただいています。
どんな提案も楽しんで受け入れてくれる人—有村さんから見たお客さま
向後さんはどんな提案も楽しんで受け入れてくださって、担当させていただくのがとても楽しいお客さまです。
30年近く毎回違うヘアスタイルを提案してきましたが、どの提案でも共通していたのは「シンメトリーなヘアはつくらない」ことです。お顔立ちが美人なので、シンメトリーだと普通にきれいになって、逆に目立たなくなってしまうんですよね。少し個性的でどこかを崩したヘアスタイルのほうが、ご本人の美しさが際立つ。そんなことサロンワークでは説明しないのですが、察してくれて受け入れてくださるのが向後さんらしいなと感じています。
美容師の仕事は人の「気分」を相手にする仕事です。自分の気分をコントロールしながら、相手の気分を察してヘアスタイルに昇華する。ときには、自分の気分を提案という形に変えて、ぶつけてみるのもいいでしょう。
人の気分は、季節、年齢、その他さまざまな要因で変わりますから、長く通ってくださる方ほど、アナログ的な感性を高めて接することが大切になってきます。そのことを忘れてしまうと、お客さまに飽きられてしまうのかなと感じています。
- プロフィール
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imaii
代表取締役社長、アートディレクター/有村雅弘(ありむら まさひろ)
1956年生まれ。鹿児島県出身。東京マックス美容高等専門学校卒業。1979年よりimaiiに勤務。同店アートディレクターとして、サロンワークを中心に雑誌撮影、ヘアショーなどで活躍。後進の育成にも取り組む。2016年、株式会社イマイ・インセンティブ 代表取締役社長に就任。
(取材・文/福田真木子 写真/藤記美帆)
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