大学中退、モデルを経験して美容師に。「僕はお客さまの専属美容師になりたい」日野達也インタビュー
これまでのカリスマとは違う。お客さま一人ひとりの「専属美容師」になりたい
―2016年の1月にデビューしてからこの1年は飛躍の年だったかと思いますが、ご自身でも手応えを感じたのでは?
1月にスタイリストデビューしたとき、モデル出身だし、Instagramのフォロワーが3,000人(当時)ぐらいいたので、初月から指名売上は100万円ぐらいいくかなと思っていたんです。それが、やってみたら1/3にも満たなくて。現実って甘くないんだ、と痛感しました。
そこからボブを前面に押し出したInstagramの発信を始めたんです。撮影するお客さまもボブに絞り、スタイリングもボブをとことん追求して。それをたくさんのメディアで取り上げていただいたことで、2016年の12月は爆発的に売上が伸びました。
僕のボブスタイルを求めて香港や台湾からもお客さまが来店しくれるまでになって、これまでやってきたことが実を結んだなと。でも、まだまだ。もっとできると思っています。
―リピーターになってもらうため、どんな努力をされていますか?
効率よりも「特別感」を重視して、マンツーマンの接客をしています。繁忙期の12月はできないときもありますが、基本的には一人のお客さまに付きっきりで。シャンプーから仕上げまですべて担当します。そして予約をLINEでやり取りすることで、アフターケアも迅速にできるようになりました。
お客さまの立場で考えたら、指名料を払っているのにカットしかしてくれなかったら、ガッカリしますよね。付きっきりで接客しているので、ライフスタイルや好みなど、ゆっくりお話しすることもできます。次はそのお客さまのライフスタイルに合わせたヘアスタイルの提案もできますし。僕、お話しした内容は、全部メモを残しているんです。そうやって細かいケアをすることで、「専属美容師に切ってもらっている」と思ってもらえるようにしています。
―日野さんが思い描く「理想の美容師像」とは?
高単価を取り続けられる人ですね。マンツーマン接客をベースに、どこまでもお客さまに寄り添い続けられる美容師でいたいです。僕のイメージですが、これまでのカリスマ美容師と呼ばれるような方は殿上人のような印象がありますが、僕は「一人ひとりに寄り添う専属美容師」になり続けたいと思っています。
なおかつ、お客さまには僕のヘアにブランドを感じてもらいたい。「日野さんに切ってもらっている」と自慢してもらえるような。そのために、幅広い技術の習得、感性を磨く努力を続けていきます。
- プロフィール
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Bella Dolce
スタイリスト/日野 達也(ひの たつや)
兵庫県出身。大学時代にgricoのエザキヨシタカ氏と出会い、美容師を目指すことに。都内1店舗を経て、Bella Dolceに入社。2016年1月にデビュー。都会の洗礼されたヘアデザインが人気となり、デビュー1年目にもかかわらず人気スタイリストとして売上を伸ばしていく。ボブやアッシュ系カラーは大人かわいい、と評判だ。学生時代はモデルとしても活躍。
(取材・文/小林 香織 撮影/当山 礼子)