【HEAVENSディレクター・世良田奏大】新卒入社で18年。老舗人気サロンの技術集団を率いるマインドセットとスタッフ教育への想い
HEAVENS(ヘブンス)と言えば、表参道で一目置かれるブランドサロン。今回は、HEAVENSのディレクターとして組織をまとめている世良田奏大(せらたそうた)さんにインタビューしました。ひとつのサロンに長く留まる美容師が少ない中、新卒入社から18年、地に足をつけて活躍している世良田さん。現在は、サロンの顔としてプレスも担当し、スタッフ教育にも注力。そんな世良田さんが、これまでどのようにキャリアアップを図り、そしてどんな考え方で立ちはだかる壁を超えてきたのか、営業前のサロンに伺ってきました。
一生の仕事として腹を括っているかどうか
――世良田さんは、専門時代はどんな学生だったんですか?また、就活でHEAVENSを選んだ理由も教えてください。
専門時代はリーダーシップを取るのが好きだったので、学校行事があるときは自然にリーダーを任される方が多かったですね。就職先の決め方は、僕はとにかくカットが上手になりたかったので、カリキュラム重視でサロンを選びました。大型店だと埋もれるな…と思ったのと、アットホームな個人店も性に合わないと思ったので、中型サロンに絞ったんです。その中で、HEAVENSは作るスタイルが圧倒的に好きだなと思っていたんです。
美容師になるからには、有名になって上に上がらなきゃと思っていました。厳しい仕事だということも分かっていましたから、覚悟はしてましたよ。「一生これで食べていく」と思っていたので、働き始めたら何があってもブレない自信はありましたね。
――実際にアシスタントとして入社してみて、厳しさはいかがでした?
当時は今とは働き方も違うので、もう地獄でしたよ(笑)。同期が6人いたんですが、3ヵ月で4人辞めて、もう1人は6〜7年で辞めました。僕は腹を括っていたので辞めないですけど、そりゃ辞めるよねって思ってました。それくらい厳しかったです。
それにアシスタントながらに、撮影現場に参加したいという思いもありました。当時は一般誌のヘアページに自分が担当した作品写真が掲載されると、ものすごい反響でして。美容師にとっては、そこに自分が並ぶことが目標だったんです。アシスタントでも、モデルを連れて来れば、撮影に参加できるというルールがあったので、誰よりもモデハンをして、いいモデルをキャスティングするということをやっていました。
今でこそインスタがあるけど、その頃はモデハンしか手段がなくて、休日も夏休みも、街中で永遠とモデハンしてましたからね。大変でしたけど、いろんな人とコミュニケーションをとって信頼関係を築いていくという経験ができました。アシスタント時代は無駄なこともいっぱいあったので、それは後輩たちに経験させなくていいと思っていて。逆に、これはもっとやったほうがいいんじゃない?と思うこともありますけどね(笑)。