モノへのこだわりは自分の魅力を発信するために欠かせない。 —美容師のカバンの中身 HEAVENS 小松敦さん
PICK UP ITEM | ノート
自分の中から出てきた言葉を、デッサンのように書き留める
便利な時代になったもので、スケジュール管理や仕事上のメモなどは、手帳ではなくてすべてiPadで行っています。それでも手放せないのが、真っ白な無地のノート。今使っているのはモレスキンとコム・デ・ギャルソンがコラボレーションしたノートブックです。
主に書き留めているのは、自分の中から出てきた言葉です。ふと思い浮かんだ言葉や、もう一度意味を確認し直したい言葉などを、デッサンのように書き留めています。
今はSNSで発信することも多いですし、そもそも20年以上、ヘアショーやセミナーをしてきた中でも、ずっと言葉によるメッセージを重要視してきました。今の若い人たちにも届く言葉を、と思ったときに、現代的な価値観と選ぶ言葉との整合性を確認し直すというのは、大事な作業だと思っています。
思考の起伏を再確認できるのはノートならでは
手で書くと、脳にスッと入っていく感覚があるんですよね。白の紙というのも、またいいものです。強く大きく文字を書けば、自分の脳にも強く刻まれますし、二重線で消したら、後でその痕跡も確認できる。絵を描くこともできますしね。
書くこと自体もいいですが、後から見直すのも自分自身の思考の起伏を確認できて、考えの整理に役立っています。僕が発信する言葉は、このノートの中で精査、洗練されて、みなさんに届けられるものとなっているのです。
- プロフィール
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HEAVENS
代表/小松 敦(こまつ あつし)
山形県出身。1993年、東京・渋谷に『HEAVENS』設立。独自のカット理論「ツーセクション」を提唱し、技術、ヘアデザインの両面で注目を浴び、ヘアショーやセミナー、コンテスト審査など多岐に渡って活躍中。現在、原宿、表参道に2店舗、代々木上原八幡に別ブランド「MuNi」を展開。
(取材・文/福田 真木子 写真/吉楽 洋平)
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