美容師が通いたくなる美容室「grico」の原田直美が語る、女性リーダーの可能性

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世の男性美容師の数と比べると、そのおよそ2倍はいると言われている女性美容師。店長やオーナーも、ひと昔前では男性が務めることの多かったポジションですが、近年では女性美容師がどんどんその役割を担い始めています。

 

そして今回ご紹介するgricoの原田直美さんもそんな女性美容師としてのステップアップを果たした一人。同店の店長を経て現在はプロモーションマネージャーとしても活躍する原田さんに、店長として上に立つことの難しさや女性リーダーの可能性について伺います。

 


 

店長を任されたときは泣いて断った

 

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-まず、gricoに入社するまでの経緯をお聞かせください。

 

専門学校卒業後に入社した美容室に勤めていたころ、美容師として成功するためのヒントを得ようと、いろんな美容室のオーナーに髪を切ってもらっていたのですが、偶然訪れたgricoでオーナーのエザキ(ヨシタカ)と1時間話しているなかで「この人の元にいたら成功できる」と確信したんです。施術が終わったころにはもうgricoに入りたいという気持ちが生まれていましたね。

 

-「この人の元にいたら成功できる」と確信できた理由は何だったのですか?

 

エザキが自分の成功よりも周りの人の幸せを考えているところですね。人に対するアドバイスの的確さに頭のよさも感じましたし、美容師の枠に捉われない考え方を持っているので、今まで会ったことのない人だと思いました。今も美容師がお客さまとしてくると、エザキはその1時間でセミナーさながらの話をしてくれるので、みんなこの人の元で働きたいと感じると思います。gricoは美容師が来たくなる美容室でもあるんです。

 

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-その後正式に入社して、どのように店長となったのでしょうか。

 

当時はエザキがオーナーで店長という立場の人がいなかったのですが、gricoに入って1年経ったころ、新たに店長を立てる流れになり、エザキから店長に任命されました。ただ私はそのとき泣いて「絶対いやです」と断ったんです(笑)。私は人をまとめることが苦手だったので、店長は向いていないと思っていたし、なりたいとも一切思っていなかったからです。

 

ただそのとき、エザキから「今そうやって泣いて断っているのは、誰よりも店長という仕事の責任や大変さをわかっているからだと思うし、俺はそういう人だからこそ任せたい。人には向き不向きがあるけれど、原田さんならできるはず」と言われたことで、店長となることにしました。

 

店長だからこそ学べることがあると感じた

 

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-店長になってよかったと感じたことは何ですか?

 

後輩を多く抱えるような男性美容師と対等に話せるようになったり、上の立場同士だからこそできる話で共感し合えるようになったことです。店長に任命されたときから、「これからはリーダー職にある男性美容師とも対等に話していかなきゃいけない」と思っていたので、店長としてあるべき姿を学ぶためにリーダーの素質についての本をたくさん読みましたね。

 

-逆に店長として働き始めて苦労したことは何ですか。

 

やりたいこととやるべきことを全部自分で背負ってしまったことです。例えば私個人の売り上げが思わしくなくてもお店全体で売り上げを出せれば店長としての役目を果たせていますよね。でも私のなかでは「自分も個人の美容師としてもっと成長したい」という気持ちがあったので、全部のことを自分でやらなければいけなくなったんです。結果、とてもハードな生活になって、一女性としての幸せを考えたときに不安になった時期もありましたね。

 

それから、下の世代を育てるために、自分でやってしまいたくなる気持ちを抑えて人に仕事を任せ、最後まで責任を持って見るというのも課題でした。最初のうちはなかなかできない子の気持ちがわかってあげられなくて、一つひとつのことをその子たちの目線に合わせて教えるということに苦労しましたね。でもそこで単純に怒るのではなく、なぜミスが起きたかをしっかり聞くようにすると、自分の想定とは全く違うところにできない理由があったりするんですよね。店長だからこそ学べることがまだまだあると感じました。

 

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-女性として男性スタッフを管理する点において意識されたことはありますか。

 

やっぱり男性のなかには、プライドがあって女性の上司からのアドバイスを素直に受け入れられない人もいると思うので、そうしたところは気がかりでしたね。私の言葉はちゃんと響いているのかなと不安になる瞬間もありました。ただこの不安に関しては、ミスを叱る存在をもう一人育てるということで解決しました。お客さまに対する面や心の奥底での悩みは女性だからこそ聞ける部分もあると思うのですが、単純なミスや技術的な不足については男性スタッフから叱ってもらうようにしています。

 

また、男性スタッフに対しては、怒るよりもそのプライドを上手く活かして、「◯◯ならできるよ」「私より君の方ができるから任せたい」と頼むことで、頼まれた方が責任を持ってくれるようになりました。だから下のスタッフにも上手に頼ることが大切なんだと思います。褒められて伸びる男性も多いので、誰も見ていないところで頑張っていることをきちんと褒めたりすることも大切ですね。

 

>本当に女性が働きやすいってどういうことなのか

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