エザキヨシタカが美容業界に疑問を呈す。 人を大切にすることで築いた15年――gricoの歩みと未来への展望

登山はサロン経営、ひいては人生に通じる

 

 

 15年間gricoが新しいスタイルを提供し続けてられているのは“囚われない”からだと思います。業界誌も見ないし、SNSのスタイルを参考にしたりもしない。そこに囚われると新しさが出てこないんですよ。

じゃあ何を見ているかと言えば、例えば森とか。森に行けば樹も草花も昆虫もたくさん見ます。森でたまたま出会った人がカメムシの専門家だったりして。カメムシひとつとってもいろんな種類や紋様があったり。自然からはいろいろな学びがあるんです。

 

 

自然といえば     娘と一緒に山登りをしているのですが、子供を連れて山に登ると、途中で「置いていく」という選択肢はないですよね。大人がしっかりサポートしているからこそ、子供も一緒に頂上までたどり着ける。

 

会社も同じなんです。リーダーがみんなを引っ張ってくれるからこそ、全員で目標を達成できる。一人でやるより、みんなでやった方が絶対に楽しいし、達成感も違うんです。一緒に頂上を目指すことの充実感を味わう一方で、同じ目標に向かっていく仲間同士の連帯感を感じました。

 

さらに、チーム全体が強くなるためには、いろんな視点を持ったメンバーが増えていくことが大事。上を目指すだけではなく、その過程で得た経験や気づきが一番大切なんですよね。

 

 

世の中では、高い山を目指すことが良しとされることが多いですが、必ずしもそれが正解じゃない。美容業界にありがちなのですが、山に登ってここが頂点だ!と安心していつまでも降りてこない。そうするとその山が知らないうちに廃れていたりもする。山に登ったら降りる、そしてまた別の山に登ってまた降りてみる。その過程の中で新たな気づきを得る。この繰り返しが美容師をやる上で、また大切な人を守る上で必要なのではないかと思います。

 

これまでも、これからも守るべき人を全力で守り続ける

 

 

今、僕は会社を通じてスタッフを守ることに全力を尽くしています。それに加えて、努力して管理職など重要なポストについたスタッフには、もっと力を入れてサポートしたいと思っています。

 

昔は、全員を守ろうとしていたけれど、色んな事件がありまして……。お金を盗むスタッフがいたり、裏切りのようなことをされたりなど、苦しい経験もありました。それでも、美容師として頑張りたいという気持ちを持っているスタッフを支えるために、これまで努力してきました。

 

ただ、そんな時に、僕を信じてくれていたお客さまの中には、そうした状況を見て離れていった人もいました。守るべきじゃない人を守ろうとして、結果として失ったものもあるのかもしれません。今では経験を積んで少しずつ「目利き」ができるようになった気がします。もちろん、守るべき人たちを全力で守りたいという気持ちは変わりません。

 

>grico15周年を経て、次のステップへ

 

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