日進月歩で進化しているヘアケア技術。その躍進を支えているのは、現場でニーズを知り尽くし、薬剤に精通する美容師たちです。彗星のごとく現れた田村タムさんは、髪質改善を軸に月900万を売り上げる超人気スタイリスト。そして田村さんの生みの親が、前職MINXでケミカルチームを率いていた天才美容師・浜口ユウイチさん（gite代表）です。コロナ禍でも慌ただしい毎日をおくる田村さんの横顔に迫りつつ、浜口さんの教育論についても聞いてきました。

—今やスーパースターの田村さんですが、最初の頃に美容師を一週間で辞めたそうですね。

田村：そうなんです。新卒で入ったサロンだったんですけど。そのあとDJをやっていました。でも22歳のときに将来のことを考えて、美容師に戻ろうと。専門学校時代の先輩と飲みに行ったら、その場に偶然giteの店長がいて、サロン見学に誘っていただいたんです。

浜口：面接で初めて会ったときは、今どきの子だな…と（笑）。でも、気配りができたり、服がおしゃれでしたね。光るものを感じたので採用しました。

田村：あとから知ったんですけど、giteを紹介された日は浜口さんの誕生日だったんですよ。あの頃はまだ浜口さんの凄さを知らなくて、最初に会ったときも「なんか怖い人がいるな」くらいな感じで。家賃手当が出るという条件が魅力的すぎて決めましたし（笑）。

浜口：田村は2年でデビューしたんですけど、うちは5年のカリキュラムがあって、頻度が少ないクラシックなカットなんかも学んでもらっています。最短2年半でデビューして、お客さんに入りながら残りのカリキュラムをこなしていくという感じですね。田村はやる気があって研究はするんですけど、練習をしないんですよ。僕の勉強会が週に2回あって、「そこで覚えればいい」という効率重視のタイプなんです。

田村：ですね（笑）。

浜口：アシスタント時代は飲み歩くし掃除しないし、終わったらすぐ帰るというトゲだらけの子でしたよ。でも、育てれば売れると思っていたし、トゲを抜くと美容師は売れなくなっちゃうんです。だから皆さん、下の子のトゲを抜かないことをおすすめします（笑）。僕はトゲの先っぽに少しガードをつけるくらいにしています。田村は、ほっとく方がいいタイプなんですよね。

田村：浜口さんには、ホントに感謝しかないです。

>田村さんが髪質改善を強みにしたのは、浜口さんの提案ですか？