MINX 高橋マサトモ 採用のための『ジャパン・ツアー』!?【GENERATION】雑誌リクエストQJ1994年4月号より

 

『MINX』ジャパン・ツアー開幕

 

 

ジャパン・ツアー・・・!

ということは全国縦断のステージ・ツアー・・・

 

「札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡。やるんです。ミンクスのジャパン・ツアー」

 

これは驚いた。美容室が単独で、全国縦断ツアーをやるというのだ。

おそらく前代未聞。

歌手やロックバンドならわかるが、美容室のツアーなど聞いたことがない。

 

「それをひとつの区切りとしたいんです。ステージも多くなって、ミンクスの名前も覚えてもらった。しかも、ステージというイベントをみんながやり始めている」

「美容師って刺激に飢えてるみたいなところがあるから、一気に増えてくると思うんです。ただね、これもあと2年くらいで落ち着くと思いますよ。ヨーロッパ的にね。第一、つづけていくにもイベント業として成り立たない。損もしないけど利益も出ない(笑)」

 

しかし、痛快である。

美容室が単独で全国ツアーを開始することなど、だれが想像できたであろうか。

 

「ぼくらにとってステージとは、わくわくドキドキする場。そして同時に採用広告でもあるんです。全国の若い人たちにミンクスの名前と雰囲気を覚えてもらって、採用に結び付ける。それは雑誌の撮影や作品発表も同様なんです」

 

 

美容師という名のスターを輩出する

 

ステージや雑誌で名前を売る『MINX』には、毎年200人ほどの美容師や美容師の卵が面接に来る、という。しかも求人票などは一切、出さない。

 

「その中から今年、10人の新人が入ってきます」

 

採用で苦労したことはない、という『MINX』。

200人から10人ということは、20人にひとり。

たいへんな競争率である。

その競争率を勝ち抜いた者だけが、『MINX』のスタッフとなり、雑誌の撮影の仕事に入り、またある者はステージに立つ。

 

「スターを育てるんです。ぼくは全員をスターに育てる」

「ただね、スターというのはステージに立つ人だけじゃない。ステージに立つ人は、基本的には芸人ですから。人に観せることでお金をいただくのは芸人。それには特殊な才能が必要となる。だからステージに立つ人は限られています」

「ただ、サロンの中にもスターはいる。たとえばお客さまにとって、指名するスタッフは皆スター。鏡の中にもスターなんです」

 

鏡の中のスター。

それは厳しい競争を勝ち抜いた上で『MINX』に入り、さらに2年間の教育期間のうちにデビュー、つまりお客さまを持つことを認められた人材のことだ。

 

「ウチは育てるのが早いですから。2年でデビューできない人は、自然に辞めていきます。ただ、1年以内に感性を開花させた人は、鏡の中のスターになれる」

 

ならばステージに立つ人とは、どんな人なのだろう。

 

「それは横の競争に勝った人。つまり同期のスタッフや先輩たちに、自分の個性や実力を認めさせた人」

「スタッフが40人くらいになると、特別に教育しなくても横の競争が始まるんですよ。みんな格闘してますよ。自分のポジションを確立するために。その中から自然にステージに立つ人や、撮影に進む人、あるいはサロンでデビューする候補が出てくる」

「その候補たちを見極めて、ぼくはチャンスを与える。たとえ50パーセントくらいしか達していなくても、チャンスを与える。そうすれば、本物は必ず芽を出す。それがミンクスの教育なんです」

 

美容師になりたい、と思った時、人はどんな夢を描くのだろう。

お客さまの支持をたくさん獲得する売れっコ美容師。

将来、自分の店を持つ美容師。

雑誌で活躍するヘアデザイナー。

あるいは芸能人などのヘアメイク・アーティスト・・・。

しかしここにもうひとつの道がある。それはステージだ。

 

『MINX』のジャパン・ツアーは、おそらく全国の美容室、あるいは美容師、さらには美容師になりたい人々に大きなインパクトを与えるだろう。

 

その時、もしかすると美容業界は新たな歴史を獲得することになるのかも知れない。

それはサロンという枠から大きく飛び出した、大音響ときらびやかな照明の中で躍りながらスタイルをつくっていく、文字どおりのスターとしての美容師の道。

その新しい歴史への扉は今年、まず『MINX』が開けるのである。

 

 

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