SUNVALLEY 朝日光輝 美容師は資産なのに。【GENERATION】雑誌リクエストQJ2005年9月号より

美容師にできること

 

 

朝日光輝は『air』に移籍した。岩田卓郎がプロデュースする美容空間。

「美容師って将来が保証されてないじゃないですか。たとえばケガをしてお客さんの髪を切れなくなったら美容室にいられなくなる。給料は歩合だし、いいときはいいけどお客さんがいなくなったら給料もなくなるわけですよね」

「だけど実際には年齢も加わるし、家族も持ちますよね。自分の好きな美容をやりながら、自分の愛するもの、家族・子どもを守っていかなきゃいけない。だけど美容はお客さんに求められる仕事だし、どんどん若手も育ってくるとなると、何かあたらしい道をつくっておく必要があるんです。お金のことや将来の心配をしないで存分に力を発揮できる環境」

「だって将来に煮詰まっちゃうから、辞めて美容院を出さなきゃいけなくなるんです。せっかく一緒に働いてたのに、せっかく教えて育てたてきたのに、離れ離れになんなきゃいけない。ライバルになんなきゃいけない。それはやっぱり寂しいじゃないですか」

「だからこそちゃんと将来が見えて、別れなくても共存できて、好きな美容を一緒にやれて、お店を盛り上げていけるのであれば、それが理想かな、と。そんな環境や組織をつくりたいんです」

 

一般の会社は人を生かす場である。最大の資産である人を生かさなくては会社は成長しない。というより存続すらできない。

だが美容室はどうだろう。

「みんな辞めていっちゃうじゃないですか。で、お店をつくる。細分化していく。みんな借金して、くるしい思いして、死にもの狂いで美容やって。で、そこに楽しさがまったく見えない。だからもっとみんなで潤って、会社も潤うみたいな。まあホント、きれいごとっていったら、きれいごとなんですけど、そういうきれいごとをぼくらは本気で現実にしたいんです」

 

彼の視野は拡がる。美容業界以外へと拡がる。日本人大リーガー。プロサッカー選手。彼と同年代が世界で活躍している。さらにIT企業の経営者たち。

「お金がすべてじゃないけれど、まだまだやれることってたくさんある。美容を通してふくらませていけること。アプローチできること。そうすれば美容師の地位も上がっていく」

たとえば、どんなこと。

「美容師がデザインする家があってもいい。椅子があってもいい。洋服のデザイナーはいろんなものをデザインしてる。同じようにヘアデザイナーだって、できないことはない」

 

朝日光輝。30歳。美容業界の外の人とビジネスを通じてふれあうことによって、視野も発想も拡がっていく。

 

『air』。それは美容空間。

その空間を演出し、経営する母体となる会社の名前は『air entertainment』。

その社名にはビューティーも、ヘアーという言葉も、ない。

 

 

   ライフマガジンの記事をもっと見る >>

   リクエストQJ Instagram

   リクエストQJ YouTube

  旬の美容師求人はこちら

 

Related Contents 関連コンテンツ

Guidance 転職ガイド

Ranking ランキング