福岡FLEARプレス中嶋氏に聞く。今後生き残れるサロンとは。

 セミ

 

ファンベースの時代がくる

 

 

-既存顧客を大事にすることに力を入れてから、何か変わったことは有りますか? 

 

 

中嶋:実は、うち、昨年かなり売上がアップしていたんです。

「どうしてこんなによかったんだろう?」と振り返ってみたのですが、決して新規が増えているわけじゃなくて、固定のお客さまが残ってくださっているということに気づきました。

この2年間くらい、「どうやったら、今のお客さまにメッセージが届くか」と考えてきたのですが、それが徐々に実ってきた感じです。

 

 

-継続のたまものですね。

 

 

中嶋:急に取り組み始めたわけではないんですよね。フォトシュートをガンガンやっていたころも、やはり既存のお客さまが一番大事、サロンワークが全てという気持ちは、代表の松谷を含めてみんなにありました。

ただ、その方針がここまで明確になってきたのは、先ほどお話したさとなおさん(佐藤尚之さん)の、「ファンベース」の考え方を知ったからです。

とくに『明日のプランニング』(講談社)を読んだときは、「FLEARがやりたかったことはコレだ!」と思いました。

 

 

-具体的にはどんなところが参考になったのでしょうか

 

 

中嶋:いま、日本じゅうの名だたる企業が「既存顧客」を大事にして、徹底してファンをもてなし、その結果、ファンの人たちが一緒に会社を盛り上げていってくれるという一連のうねりを作ろうとしているのを知ったことです。

 

実際に東京で何度もさとなおさん主催のセミナーを受けて、より実践的にサロンに落としこむ方法が見えてきました。FLEARでもファンベースを軸にした取り組みをしたいと考えています。

 

もちろん、集客サイトをやめろとは言いませんが、減らせる分は減らして、できるだけ既存のお客さまにお金をまわしたいと考えています。

 

 

-「ファンを大切にして一緒に盛り上げていく」というファンベースは、スタッフに対する考え方にも取り入れていると聞きました。

 

 

中嶋:はい、そうなんです。いまはリクルートが大変だと聞きますが、リクルートひとつとっても、ただ情報発信すればいいというわけではなくて、今いるスタッフが「うちのサロン、めっちゃいいよ!」とリアルに思って後輩に発するひと言のほうが強いと思うんです。

既存顧客がお友達に勧めたくなるような、今いるスタッフが後輩に勧めたくなるような、そんなサロンをリアルに作っていかなきゃいけないんだなと感じています。一周回って、本当に本質的なところに戻ってきた感じですね。

 

 

-最後にメッセージをいただけますか

 

 

中嶋:これからのサロンはスタッフが褒められ、人に話したくなるようなサロンでないと生き残れないと思っています。「デザインがおしゃれ」を狙うのではなく、「スタッフのレベルが高い」「あそこのスタッフは信頼できる」と思われたい。

これは、貯金やダイエットと同じで、とにかく毎日コツコツ続けるしかありません。一気に成果が出るものでもないと思っています。

でも、とても本質的なことで、取り組みがいのあることです。その蓄積はサロンの財産になっていくと感じています。

 

 

プロフィール
FLEAR
プレスマネージャー/中嶋増美

広報はもちろんのこと、FLEARのスタイル撮影やブランディングを一手に引き受ける。近年では、九州全域を中心に、セミナーなども開催。

(取材・文/佐藤友美)

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