2人で同じ方向を見続けた7年間。——オーナーと私。女性美容師の右腕物語
口に出さない想いまで汲み取りたい
「女性ばかりで大変じゃない?」とたまに質問を受けますが、それはあまり感じたことがありません。スタッフとのコミュニケーションで大切にしているのは「共感する」ことでしょうか。自分も女性なのでわかるのですが、女性って共感されるとうれしいんですよね。だから注意をするときも本人の気持ちに寄り添ったり、逆に「相手の気持ちを考えてみて」と、共感をうながすような一言を入れたりするようにしています。怒ったり、注意したりというよりも、話し込むことが多いかもしれません。ただオーナーがとても優しいので、ときには厳しくと心がけてはいますけど。
オーナーは私たちに「これをやりなさい」というような、上からの指示をぜんぜん出しません。私たちの自主性に任せてくれています。その一方で新しいメニューの導入など、私たちの中でやりたいという声が上がったものがあれば、精一杯の力でそれを叶えてくれる人です。もしかしたら年齢が離れている分、指示を出すと強制的になってしまうと感じているのかもしれません。でも私は、口に出さない気持ちも汲み取りたいんですよね。オーナーの気持ちも、下の子たちの気持ちもうまく汲み取って、つなげていく役目ができたらと思っています。
育休中ですら立ち止まりたくない!
実はいま、育休中なんです。まだ出産して1カ月なのですが、みんなのことが気になって仕方がありません。休暇に入ってからもオーナーや、アシスタントの子と連絡をとったり、お店を覗きに行ったりしていますが、大丈夫かな、行き詰まってないかな、大会の準備進んでいるかな……。そんなことばかり考えています。自分自身も足を止めたくなくて、作品撮影を計画中だったりします。
これからもオーナーと同じ方向を向いて進んでいきたい。そしていつの日か、逆にオーナーを引っ張っていけるようになりたい。オーナーが私にとっての、原動力なのかもしれません。
- プロフィール
-
FINSBURY PARK
店長/豊田雪乃(とよたゆきの)
2010年、岡山県岡山市の「FINSBURY PARK」に入社。入社以来、コンテスト出場やクリエイティブ撮影などに積極的取り組む。第一子を出産し、現在、育休中。
(取材・文/福田 真木子)