いま需要が拡大している!? アイスタイリストの働き方を三浦磨希さんが教えます。
給料は上昇傾向にありワークライフバランスも取りやすい
-美容師がアイスタイリストに転職するとしたら、活かせる技術はありますか?
コミュニケーション能力と美に関する感性は活かせると思います。技術についてはまったく違うものなので、一から身につける必要はありますが、美容師免許は活かせるので、手荒れで働けなくなってしまった美容師さんがアイスタイリストに転向するケースも多いんですよ。
美容師からアイスタイリストに転職した方は職人として大きな武器を持っていると思います。ヘアもまつ毛も扱えるスタイリストは、トータルでお客さまをプロデュースできるようになるので、強みになると思います。
-美容師とアイスタイリストの仕事を比較したとき、一番の違いは何でしょうか?
アイスタイリストはより細かい目元に特化した作業になるので、ヘアよりもさらに緊張感が増す気はしますね。
-美容師は一般的に忙しい職業だと言われていますが、アイスタイリストはいかがですか?
業界全体が人手不足なので、そういった面で忙しさはありますが、美容師さんのように営業後にひたすら技術訓練をするということは、あまりないと思います。そのためワークライフバランスが取りやすく、働きやすい環境かもしれません。
-人手不足というお話が出ましたが、アイスタイリストの需要は拡大しているんでしょうか?
需要は拡大しているものの、技術の習得が難しく2008年をピークにサロンの数は減少しています。とはいえ、アイスタイリストの報酬は上がっている傾向がありますし、サロンの利用者数も増えているんです。まだまだ発展途上の業界なので、チャンスを掴みやすいと思います。
-女性中心の業界というイメージがありますが、男性にも活躍の場はあるんでしょうか?
はい、もちろん。うちにも男性のスタイリストがいますし、これからますます増えていくんじゃないでしょうか。男性目線で魅力的なまつ毛のアドバイスをしてもらえるのは、女性のお客さまにとってありがたいですよね。
-美容業界のなかでも安定した職種と言えそうですね。女性の出産後の職場復帰についてもお伺いしたいです。女性スタイリストの職場復帰は難しいのでしょうか?
人材が不足しているので復帰は確実にできると思います。ただ、働きやすい環境が整っているかというと、そうではないですね。例えば子どもの急な病気で休みを希望されても、対応できない場合も…。人手不足ゆえに、代わってくれるスタッフがいないんです。
今後、市場が広がるなかで人材が増えてくれば、アイスタイリストの地位も上がり、より柔軟な働き方を叶えられるんじゃないかなと。そのためにも後継者の育成に注力し、もっともっと業界を盛り上げていきたいですね。
- プロフィール
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株式会社Mius・Lash
代表取締役/三浦 磨希(みうら まき)
1971年東京生まれ。1999年麻布十番にネイルサロンをオープン。その後、まつ毛エクステンション、アイスタイリストとして数多くの雑誌や広告などで幅広く活躍。2015年にはパリコレNYコレクションのバックステージに参戦。常に時代の一歩先をリードするアイスタイリストのひとり。女優、モデルからも絶大な信用を得て、オファーが絶えない。
(取材・文/高良 空桜 撮影/河合 信幸)