easy punk考案・ヌマタユウト直撃！MERICAN BARBERSHOP TYOオープンから１年。渋谷から発信する神戸発ネオクラシックなバーバー文化
上京半年でeasy punkが誕生、SNSで大バズ
——昨年6月に東京店がオープンして1年が経ちました。上京後、easy punkはどうやって生まれたんですか？
サロンスタッフのヘアもeasy punkスタイル
easy punkはイージーパーマというオリジナルのクリームパーマ剤を使った施術なんです。そのパーマ剤を開発したのは、大阪でバーバーEIGHTを経営するYassさん（＠nakao_yasuyoshi）。それでYassさんの講習を受けて技術を学びました。イージーパーマというのは黒人さんのような髪を寝かしつけるパーマなんですが、それを自分の髪でやってもらったんですね。当時の僕は坊主で金髪だったんですけど、すごく面白い質感が出たんですよ。
上京してからフックが立つようなスタイルを半年ほど考えていて、坊主からもう少し髪を伸ばしてブリーチしてて、イージーパーマしたらどうなる？ってやってみたら、これ質感ヤバ！ってなったんです。直感的に、このスタイルを売ろうと思いました。ちょうど1年前ですね。そこからYassさんが公式で動画を出してくれることになって、easy punkとネーミングしました。
——そこからSNS発信を？
そうですね。スタッフ内で毎日リールをあげるようになって、再生回数を見ながら改善していって。そしたらあるとき質感を表現した1本のリールが20万超えで急に伸びて、そこから95万超えになったんです。それが今年の4月くらい。フォロワーも伸びるし、次から次に上げるものの再生数が伸びるので、「これしかない、一旦これいけ！」と（笑）。そしたら、面白いことに世界中の美容師が真似を始めたんですよ。タグづけしてくれるので見れるんですけど、韓国などのアジア圏はもちろん、イタリアから講習依頼がきたりとか。お客さまも増えるし、取材も入ったり、いろんな形で波状していくんです。これがバズりの現象なんだなと体感しましたね。
でも、ひとつ言わせていただきたいのは、easy punkはイージークリームを使わないと本物ではないんです。なので、海外で発信されているeasy punkは別物なんですよ。東京では僕がEASYPERM EXPERTSEMINARを毎月開催していて、それを受講された方じゃないとクリームを購入できない仕組みになっています。名古屋でも開催されていて、福岡でもこれからスタートします。東京は先月が初めての開催でしたが、5秒でソールドアウトしました。次回は人数を増やして、8月27日に行う予定です。
——セミナーも好評ということで、大活躍じゃないですか。レディースサロンで売れなかった10年間、あきらめずに踏ん張れたモチベーションは何でした？
美容でやっていくと一回決めたとので、その決意ですよね。あとは、親のおかげで専門学校に行けたので、意地。それだけで続けてきた感じです。美容師って、技術がうまいだけじゃお客さまは来ないんですよね。みんな美容という勉強と技術練習、あとはオシャレも大事。日々の情報収集の中で、ファッションもカルチャーもアップデートしていかないといけない。でも、お客さまは人間だから、美容師と気が合わなければ来ないんですよ。性格的な相性もよくて、技術もできて、オシャレじゃないといけない。こんなに難しい職業ってある？って思うんですけど。
売れない時代は、辛すぎて「何も考えずベルトコンベアーのような作業をして稼ぎたい」って思っていたこともありました。だけど同時に、自分の感性は違う場所で絶対に生かせられるとも思っていて。自分の能力を信じてたんです。ズラしの感覚で、ちょっとズラして行動を変えたら、水を得た魚のように活躍できるようになりましたね。それでもまだ、ニューヨーク行きは程遠いと思っていて。なので、これからもっと上を目指していきます！
- プロフィール
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ヌマタユウト／『MERICAN BARBERSHOP TYO』クリエイティブディレクター
1989年、兵庫県生まれ。美容専門学校を卒業後、郊外のレディースサロンに入社。10年間勤務したのち、MERICAN BARBERSHOPに転職。本店（神戸）で技術を磨き、1年後に福岡店のオープニングスタッフとして参加。昨年6月、東京出店で上京し、easy punkを考案。SNS発信によって瞬く間に広がり、世界各国の美容師が人気メニューとして取り入れるなど一躍人気に。
Instagram：@yuto__ny
（文／織田みゆき 撮影／宮崎洋）
