コロナ禍で船出した「SLEEPY」が、オシャレな人たちに愛されている理由 SLEEPY/内埜晃宏さん
窓が高い位置にあり地下も開放的な物件に一目惚れ
独立に向けて、具体的に動き出したのは独立する1年半くらい前。渋谷、表参道、原宿エリアで少しずつ物件探しを始めました。実際に物件を見学したのは、実はここだけ。魅力的に感じた点はいくつかあるのですが、まず地下のフロアにも光が入ること。窓が大きくて開放的なんです。次に窓が高い位置にあること。僕はニューヨークの建築デザインが好きですが、特徴の一つとして窓が縦に長くて高い位置にあるんですよ。こういうデザインの物件は少ないので、もうここしかないかなと。もともとやりたいサロンの理想のイメージが、窓が高くて、家具が低い、視界を妨げるものが少ない開放的な作りだったんです。
内装に関しては妥協した点はゼロ。全てにおいてこだわっています。イメージソースはPinterestにアップされている建築デザインの画像など。主に海外のものを集めていました。独立しようと考えてから実際に独立するまでの時間があったから、しっかりとイメージを固めることができたと言えるかもしれないですね。
内装デザインは、美容室専門の内装会社ではなく、Instagramで見つけた空間デザイナーさんに依頼しています。デザイナーさんの曲線の使い方が好きで、たとえば受付やベンチ、トイレのドアなども丸いデザインでおさめてくれました。
実際の工事から完成までは約1カ月とスムーズでしたが、それはカラーや家具、そのほかの造形物の寸法までミリ単位で決めるくらい、事前にかなり細かいところまで打ち合わせをしていたから。実際、工事が滞ることもありませんでした。
細部までこだわるためにプロの力を借りる
店名のSLEEPYは、語感の響きで決めました。いかにも美容室っていう感じの名前にはしたくなかっただけで、本当に由来も何もないです。
ロゴのデザインは、ロゴデザインが得意なデザイナーさんに依頼してつくりました。よく見ると、SLEEPYの「P」にちょっとピョコンと寝癖が入っています。そのほか、ネオン管のデザイナーさんにも仕事をお願いしていますし、植物のデザイナーさんにもご依頼しようと考えているところです。自分の理想を超えるものをつくるためには、プロの力を借りたほうがいいと思っています。
サロンが完成して、引き渡しが終わったのが4月8日で10日にオープンする予定でした。ちょうど緊急事態宣言と同じタイミングだったので、仕方なく1週間、オープンを延期することに。オープン後もお客さまは少なかったですけれど、その分、ゆっくり準備することができたので、よかったのかなと。焦らなくても、必ずお客さまがきてくれる自信もありました。髪は必ず伸びるものだし、髪を切ったら気分転換になるじゃないですか。
もちろん、近場のヘアサロンに流れてしまうお客さまもいると思いますが、きちんとしたサービスを受けたいという人もいますから、このコロナ禍で価値観の二極化が進んだのかなと思っています。
ちなみに現在は、独立前よりもお客さまが多い状態。スタッフにもお客さまがついています。アシスタントで入社したスタッフも、つい先日スタイリストデビューを果たしました。今はスタイリスト3名、アシスタント2名の5人体制で運営しています。
>サロン全体でSLEEPYにしかない「空気感」をつくることが大事