場所のブランドではなく、「本当の価値」で勝負したい ‐narii/上原卓也さん‐
再開発が進む向ヶ丘遊園の将来性に期待して決断
物件探しでは不動産業で働く友人にも手伝ってもらいました。最初、小田急線の新百合ヶ丘駅の周辺で探しましたが、物件がなかなかないし、予算に合うところが見つからず…。少し視点をずらして、向ヶ丘遊園駅の駅近で検討したとき、好条件の物件がでてきたんです。しかも、向ヶ丘遊園の周辺は再開発が進んでおり、物件の目の前に大型商業施設ができる予定とのこと。将来性が期待できますし、今ならまだ家賃も安いので、今の場所に決めました。ちなみに、不動産屋さんも、内装のデザインも友人にお願いしています。先輩の美容室オーナーにも、融資や出店準備に関する相談をしましたし、周りの人たちにずいぶんと助けられましたね。
サロンのテーマは「ライフクリエイション」。訪れる人の暮らしにずっと寄り添いたいという想いが込められています。場所のブランドを捨て、東京で培った技術を、東京に行かなくても味わえるというメリットも打ち出しています。東京のサロンはどこも技術が上手くて当たり前。東京から離れることで、その希少価値が上がると考えました。カット料金は6500円。このエリアにしては高いです。でも、カット技術やサービスを含めて、ほかと差別化したいと思いましたし、それに見合う料金設定で勝負したいと考えています。正直、不安がないわけじゃありませんでしたけれど。
サロン名を考えるとき、ほかと被る名前や、意味のある言葉を使うのが嫌だったのでいろいろと考えました。nariiは「卓也」という僕の名前の「也」からとっています。この名前の付け方は敬愛するRITZオーナー金井豊さんの考え方を参考にしています。
オープンまではとにかく忙しかったです。前のサロンで管理職の経験があるので、お金や物の流れは把握していたものの、自分のサロンではすべての事柄を判断していかなくてはなりません。サロンの内装関係はもちろん、ホームページや名刺をつくったり、書類を提出したりと、やること満載で大変したが、いい経験になりました。