サロン経営の秘訣は気合と根性ではなく“仕込みと仕組み”だ! 【後編】
採用するなら「自分に自信がない人」がいい
編集部:採用するならどんな人が理想ですか?
松下:僕は空気感が合う人ですね。どちらかというと直感重視で決めると思います。
北原:約束を守る人がいいですよ。今日は出勤すると言ったら、きちんとくる人がいい。その上で、僕の場合は、今マイナスにいる人を採用しています。前のサロンで心を病んでしまってやめてしまった人、とかね。これまでカットしたのは10人だけで、お金をもらって切ったのは自分のお母さんだけという人もいました。でもね、そういう人も1年くらい働けば月の手取りで30万円は稼いでいますから。しかも、週休2日か3日でフレックスタイムという働き方をして、です。
なかには給料が前のサロンの2.5倍になったっていうスタッフもいますよ。「美容師の仕事で月30万円稼げたら幸せ」っていう人を採りたいんです。その望みを実現できる環境を用意したら、スタッフは幸せを感じてくれますよね。そして、仕事を続けてくれる。
離職がほとんどないのもDearsの強みです。離職ってすべてをゼロにしてしまうんですよ。イチから育てることには大変な労力が必要です。だから、辞めない仕組みをつくることがとても大切。スタッフが変わらないことによって、「安心感」をお客さまに与えることにも大きな意義がある。安心感のある企業を目指しているんですよ。
編集部:そういう環境があるからDearsは成功しているんですね。
北原:いいえ、順番が逆ですね。成功するために環境をつくるんです。成功するためにフレックスを入れるし、週休3日にしているんです。僕は経営者の仕事は、自分の事業の市場を分析することだと思っています。その上で、王道のモノやサービスを突き抜けたレベルに仕上げるか、今の市場にないものを提供することができれば成功ができると考えているんです。フレックスや週休3日は後者ですね。ほかにないことをしているから人が集まりやすくなりますよね。あとはそれに合わせて事業を組み立ててればいいんです。フレックスや週休3日は、フリーランスの人たちがすでに実現している働き方じゃないですか。それをサロンに持ち込むだけなので、何にも珍しいことはしていないんですけれどね。