インテリアや不動産、将来は墓石も!? 美容室にとどまらないGigiの経営戦略 ‐Gigi‐


表参道の住宅街にひっそりと佇む隠れ家サロン「Gigi」。オーナーの間島勇大(マジマユウダイ)さんは、有名店でのキャリアを手放し、「お客さまのためにやりたいこと」を実現するために独立。ヘアサロンをはじめ、インテリアや不動産など複数の事業を展開しています。美容師の独立=ヘアサロン経営という固定概念にとらわれている美容師さんにぜひ読んでいただきたいインタビューです。

 



有名店でスタイリストデビュー後、わずか2年で独立

 

 

地元の茨城県で美容師を5年ほど経験したあと、ヘアメイクや撮影の仕事をするために、表参道の有名店に入りました。ありがたいことに、スタイリストデビュー後はお客さまに恵まれ、そのなかには今も親交のある芸能人やモデル、スポーツ選手さんもいます。ただ、お客さまと仲良くなればなるほど、髪を切ること以外にも、もっとできることがあると感じるようになりました。

というのも、あるときお客さまから、「ウチの内装をやってほしい」と相談を受けたことがあるんです。もともと僕は、インテリアに興味があって、趣味の範囲でしたが内装にも凝っていました。そのことがきっかけで、お客さまに頼られたことがうれしかったし、実際に内装を手伝って喜んでもらえたので「これが仕事になったら素敵だな」と思ったんですよ。

それ以来、お客さまのためにしてあげたいことがたくさん頭に浮かんできました。僕は田舎者なので、表参道のキラキラしたサロンは緊張します。男性のお客さまも、ちょっと入りにくいんじゃないか、と思っていました。だから、お客さまがリラックスして過ごせるような一軒家のサロンをつくろうと考えました。このアイディアを具現化したのが、今の隠れ家サロンGigiです。

 

 

このほか、お客さまが結婚したら、ウェディングフォトでお役に立てるし、新居のインテリアや、お部屋に飾る草木なども提案したいと考えていました。やりたいことはたくさんあったのですが、それらを会社でやろうと思ったらいつ実現できるかわかりません。だから独立するしかなかったのですが、会社からはめちゃくちゃ叱られましたね。スタイリストデビューして2年でやめるのが非常識に見えたのだと思います。

 

本気でやりたいことのためなら、お金や人は集められる

 

 

独立するときはお金と人を集めるのが大変という話を聞くことがありますが、僕はまったく困りませんでした。だって、お金がなければ借りればいいし、人がいないなら集めればいい。何の障害にもならなかったです。

ちなみに、人集めはSNSと紹介だけ。何かひとつ尖ったところがある人間を集めたいと思っていたのですが、やっぱり尖っている人はSNSでも目立つものです。自分からどんどんアプローチして、ガンガン会って、仲間を集めました。

一般的なサロンと比較して待遇がよかったので、人が集まりやすかったというのもあると思います。僕は会社の運営について全くわからなかったから、お仕事をお願いした社労士さん、税理士さん、弁護士さんに相談し、一般企業の基準に合わせていったんですよ。一般企業では平均的な待遇ですが、一般的なヘアサロンと比べるといい、というのが実際のところだと思います。

付け加えると、ウチは副業OKでやっています。企業理念の「お客さまに感動を その先の快適さを」に沿うことであれば何をやってもいい。美容師だけで稼ぐって大変ですし、ほかのことでお客さまを喜ばせられるのであれば、どんどんやってほしいと考えています。

今、会社で手掛けている事業は、美容とウェディングフォト、インテリアの販売、グリーンインテリア(観葉植物)、不動産販売です。インテリアの販売はECサイトでやっているので、僕の労力はさほどかかっていません。不動産に関しては、僕は宅建を持っているものの、さすがに販売はできないので、不動産の専門のメンバーに任せています。グリーンインテリアも同じです。僕にできることは限られているので、パートナーに協力してもらっています。

美容師はお客さまの髪を切っているし、年に何回も会っているから、信頼関係の土台があります。いきなりドアをノックして、マンションを買ってくださいというのとは全然違うんです。美容師には、モノ・コトを勧める上でのアドバンテージがあると思っています。それに、何でも揃うインテリアショップでは勝負できないけれど、僕の趣味で集めたアンティーク中心のインテリアショップなら、競争相手はいません。ニッチなところを深堀りしていけば、収益をあげられるんですよ。

 

>お客さまの生涯に寄り添っていくGigiの経営戦略とは?

 

Related Contents 関連コンテンツ

Guidance 転職ガイド

Ranking ランキング