“脱ヘアデザイン至上主義”が美容室飽和時代の必勝法 -Simple idea/Rアイディア株式会社-
美容室飽和時代に、戦略なしに独立するのは危険
ヘッドスパ専門店を立ち上げた当時は、今ほどヘッドスパが認知されておらず、スタッフ集めに苦労しました。それでも、何かしらの理由で美容師としてカットができなくなったけれどお客さまを癒したいという仲間や、ヘアデザインとはまた違った感動を提供したいという仲間が集まってくれました。そういう意味で、ヘッドスパ専門店は美容師に新しい選択肢を与えていると言えます。ヘッドスパのような気持ちよさと効果をご自宅でも味わっていただくために、「ひとときのしずく」というオリジナルのシャンプーも作りました。泥を用いた珍しい商品もあります。
僕にとって、こうした新しい取り組みの原動力は「感動」です。いつも人の「心が震える何か」を求めています。外科医や音楽家や職人など、さまざまな「生業」を記録するポートレートを撮影したり、鳥しか見ることができない国内外の絶景をドローンでおさめたりなど、美容と直接関係のない仕事をしているのはそのためです。
美容師としてオーソドックスな独立を考えている人からすると、いろんなことに手を出している僕のやり方は破天荒に見えるかもしれません。でも普通の独立のほうがよほど危ないと思います。率直に言えば、いま一般的な美容室をつくるのはやめたほうがいい。
コンビニやカフェが近所にできたら喜ばれますが、美容室はどうでしょうか。どの街の不動産関係者も、口をそろえて「この街は美容室が飽和状態」といいます。
ただし、美容室飽和時代でも「ヘアデザイン+αのサロン」なら話は違ってくるかもしれません。もし仮に頭皮ケアに強いサロンができたら地域の人に喜ばれて、繁盛するのではないでしょうか。
髪の悩みが軽減されたお客さまは、灰色だった空が青く見えるようになると言います。お洒落をする気持ちになり、社交的になります。お客さまを笑顔にするのはヘアデザインだけではありません。独立を夢見ている、能力が高く、美容に熱い人にこそ、そのことを知っていただきたいです。
- プロフィール
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Simple idea/Rアイディア株式会社
竹澤 陽(たけざわ よう)
東京都出身。真野美容専門学校卒業。都内美容室で勤務後、ロンドン・ヴィダルサスーンに留学。帰国後、現場復帰し、恵比寿でシンプルアイディアをオープンさせる。オーソドックスなヘアサロンのほか、ヘッドスパ専門店を展開。髪と頭皮についての研究を常におこなっており、ヘッドスパの講習を開催している。さらに、写真家、ドローン技師としても活躍。
シンプルアイディア
http://www.simpleidea-ebisu.com/
http://www.simpleidea-relax.com/
ひとときのしずく
http://www.hitotoki-relax.com/
(取材・文/外山 武史 撮影/菊池 麻美)
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