80歳までハサミを持ち続けるイメージが今の僕にはある -風と雲の美容室-
この街で長く愛される店にしたい
僕は新しいことを始めるときに、慎重になるタイプです。独立するときも、最悪、表参道にきてくださっていたお客さまがこなくても成り立つようにしていこうと考えていました。でも、ふたを開けてみたら、7割から8割のお客さまが、わざわざ高円寺まできてくださっているんです。マジメにやってきてよかったな、誠意をもってお客さまと向き合ってきてよかったなと、心から思っています。
オープンして半年ですが、通りがかりにウチのサロンを見て興味を持ってくださった方や、お客さまのクチコミや紹介で、1日1人くらいは新規のお客さまも増えていて、本当にありがたいです。大した集客もせず、毎日サロンワークに精を出しているだけなんですけれど、それでもサロンは軌道に乗って、そろそろ新しいスタッフを増やさないと回らない状態になってきました。
僕は特別なことは何もしてきていませんが、マジメにやってきたことだけは胸を張って言えます。目の前にある一つひとつの仕事に対して嘘をつかなかったし、お世話になった恩師に対しても仁義を通してきました。常に誠意を持ち、一生懸命にやっていれば、周りが必ず助けてくれる。独立してそのことを強く感じています。
僕は20年以上美容師をしてきましたが、この仕事は簡単に極められるものではなく、生涯現役を貫いて、はじめて何かが見えてくる奥深いものだと感じています。その日がくるまで、真摯に取り組んでいきたいです。
- プロフィール
-
風と雲の美容室
JUN(ジュン)
神奈川県出身。高校卒業後、地元小田原の美容室に3年間勤務。半年間のロンドン留学を経てPHASEに入社。ディレクターとしてサロンを牽引するかたわら、雑誌・業界紙の撮影、セミナー講師などさまざまな活動を展開。2016年1月に独立。高円寺に「風と雲の美容室」を立上げ、開店半年で軌道に乗る。「猫の手も借りたい」状況が続いているという。
http://www.kazekumohair.jp/
(取材・文/外山 武史 撮影/菊池 麻美)
関連コンテンツ
- 1 2