理想のサロン経営は、美しいヘアスタイルに似る -CANAAN-

純利益こそが働く環境づくりの源泉

 

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素敵なヘアスタイルづくりと、理想的なサロン経営は似ていると僕は考えています。美しいデザインで、再現性が高く、周囲に褒められるスタイルを作り続ければ、お客さまがたくさんくるから、スタッフも働き続けられる。そんな風に、関わる人全てが笑顔になる経営スタイルを模索しています。

 

とはいえ、先立つものがないと手を打つことができませんから、純利益があがるシステムを1年目につくりました。それを軌道に乗せて2年目は成長率130%、3年目は107%、4年目は115%というように二ケタ成長を続けています。

 

利益を還元することで、社会保険完備は当たり前ですが、完全週休2日も、有給の使い切りも実現しました。これからは、教育担当者も早く帰宅できるように、平日の労働時間の整備もしていきたいと考えています。雇用体系の幅を広げて、結婚・出産を経ても働き続けられるようにしたいし、とにかく稼ぎたいという美容師の想いにも応えていきたい。これらは全て利益があってこそできる話ですよね。

 

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独自の教育理論もできあがりつつあります。テーマは「質の低下を招かないための教育」。これからサロンを大きくしていくうえで、スピード感を持った育成は不可欠ですが、高い生産性と質を維持していくつもりです。

 

経営者の仕事は「仲間に夢を見せること」

 

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「純利益があがるシステム」や「質の低下を招かないための教育」などのノウハウは、CANAAN educationという教育・経営コンサルティング会社の活動のなかで紹介しています。「デザインと利益を結び付ける」ことが、全体を通しての大きなテーマですが、その第一歩として重要なのがタイムマネジメントです。

 

ここでいうタイムマネジメントは、一人当たりの時間短縮して入客数を増やすという考え方ではありません。それでは質の低下につながり、ひいては総売上高の低下につながります。僕らはそれとは正反対で、素敵なヘアスタイルを提供するために、時間を有効に、無駄なく使っていくという考え方。僕らのサロンは「質」があってこそ。「質」にかけるべき時間は、惜しまずかけていくべきです。

 

このように僕はいつも、お客さまとスタッフの両方を幸せにするための仕組みを考えていますし、自分の全てを注ぐ覚悟で経営に打ち込んできました。

 

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美容室経営というのは、スタッフの人生を背負う覚悟がないといけないと思います。だから、「一国一城の主になる自分の夢を叶える」という感じのモチベーションで独立してほしくないんです。

 

今の僕には目標設定はあるけれど、自己実現のためにやっているのとはちょっと違います。経営者は夢ではなく、目の前のシビアな現実と向き合うのが仕事です。強いていうなら、夢を見せる立場にあると思っています。そのためにできることは全てやっていきたいですね。

 

プロフィール
CANAAN
代表 長崎 英広(ながさき ひでひろ)

三重県出身。旭理美容専門学校通信課程卒。MINXセントラル店代表、MINX原宿店代表を経て独立。毎年国内外で数多くのセミナー活動を行い、受講者は年間1万人を超える。メーカーカラー材開発の技術協力を行うなど、カラーでは国内トップの技術をもつ。近著には、髪書房の「ヘアカラーマル秘レシピ」、このほか著書には、女性モード社より「成功するヘアカラー」、「続•成功するヘアカラー」がある。

 

(取材・文/外山  武史  撮影/菊池 麻美)

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