独立できる人とできない人の違いは、一つだけだと思う ―pièce201―

3階にあるのに「201号室」にした理由

 

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資金力のある有名店を辞めて、新店の立ち上げを経験し、細かいところまで費用対効果にこだわっていかざるをえない個人店のシビアな経営を学びました。その後、自分のやりたいお店をやるなら、やはり自分で作るしかないと気づき、独立の準備をするためにフリーランス美容師に転向。出店場所を探す時間がほしかったし、自分一人でどれくらいお客さまを呼べるか確かめたかったからです。独立してもやっていけるだろうとぼんやり思っていましたが、フリーランスを経験して「大丈夫、やっていける」と確信できました。

 

そうして、同期の仲間2人も合流し、「pièce201(ピエス201)」を立ち上げることに。月は違いますが、3人とも21日生まれなので、最初は店名に21をつけようかと思ったんです。でも、「○○21」というのは、既視感があるし、お店の雰囲気にも合わないので、201にしました。

 

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ピエスは部屋という意味なので、直訳すると201号室になります。友達の家にフラッとくるような感覚で来てほしいという願いを込めました。実際にお店があるのは3階なんですけどね(笑)。

 

うれしいことに、一緒に働きたいという後輩も集まってくれましたし、オープン直後からお客さまもたくさん来てくださっています。今も順調にお店は回っていますね。おかげさまで、さっそく2店舗目の計画が動き出しています。

 

本気で独立したいから1年目から貯金をしていた

 

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独立してからここまで、トントン拍子でくることができたのは、それなりの準備をしてきたからだと思っています。たまに後輩の美容師から「独立したいんですけど…」という相談を受けることがあるのですが、口だけの子が意外と多いんですよね。「お金はどうするの?」とか「スタッフはどうするの?」とか、「具体的にいつ独立するの?」などと聞いても、ふわっとした答えしか返ってこないことが多いですから。

 

独立できるかできないかは、「本気度」の違いだけだと思います。本気なら具体的なビジョンを持って行動できますが、迷いがある場合は現実的に考えられないから、先へ進めないんですよ。僕は絶対に独立するつもりでしたから、入社1年目からずっと貯金をしてきました。だから開店資金を銀行から借りなくても出店できたのです。実際は2店舗目を視野に入れていたので、そのときのために銀行ともお付き合いをしているのですが、とにかく準備できることは全部やってきたんですよ。

 

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1店舗目が軌道にのり、次は2店舗目、3店舗目を計画しています。近い将来、同期の仲間3名がそれぞれのお店のオーナーになる予定です。そして、僕自身は少しずつ、仕事の中心を経営にシフトさせていきたいと思っています。僕が40歳、50歳になったとき、例えば、高校生の子は切ってほしくないと思うんですよ。だから、未来を担う美容師をどんどん育てていきながら、時代にあったお店作りをしていきたいですね。

 

  (取材・文/外山  武史  撮影/菊池 麻美)

プロフィール
pièce201 
長谷川創さん(はせがわ はじめ)

茨城県出身、真野美容専門学校卒業。都内有名店に入社し約8年間勤務。撮影やヘアショーで活躍しつつ、教育担当として後輩の指導を担当。その後、原宿の店舗で新規出店の立上げメンバーを経験し、フリーランスに転向。2015年にpièce201(ピエス201)を設立し、代表取締役に就任。

http://www.piece201-hairsalon.com/

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