独立できる人とできない人の違いは、一つだけだと思う ―pièce201―
中目黒駅からほど近いところにあるpièce201(ピエス201)。ピエスはフランス語で「部屋」なので、「201号室」という意味です。それなのに3階にあるという、ちょっと不思議なサロンですが、その代表を務める長谷川創(はせがわ はじめ)さんは、至極真っ当な考えの持ち主でした。
美容師になったときから30歳で独立するつもりだった
性格的に、人の下でずっと働くのは耐えられないと思っていたので、美容師になったときから30歳で独立するつもりでやってきました。その負けず嫌いな性格が、美容師の仕事に合っていたからなのでしょうか。専門学校を卒業後、都内の有名店に新卒で入社したのですが、入ったその月に店販売上でトップクラスの数字を出すことができたんです。さらにその後、同期のなかで一番早くスタイリストになることもできました。
こんな感じで、僕は何でも1番を目指してきましたが、途中でしんどいと思ったことはありません。高校までサッカーをしていたのですが、選手権にも出るような強豪校だったので、そっちのほうがよほど大変でした。練習が厳しいのはもちろん、先輩・後輩の関係にも苦労した経験がありましたから。
会社からはたくさんのチャンスをいただき、雑誌撮影やヘアショー、ヘアメイクの修行など色々なことにチャレンジしてきました。本当に感謝していますが、僕は一つの店しか知らない「井の中の蛙」になるのが怖かったのです。
専任カラーリストがいるお店だったので、スタイリストの僕はカラーの知識に自信がなかったですし、教育や経営についての知識や経験も不足していると自覚していました。そんな思いから、次第に他のサロンで経験を積みたいと考えるようになったんです。ちょうどそんなとき、知人から声をかけられて新規出店の手伝いをすることになりました。
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