憂鬱な問題を乗り越えた数が、成功の大きさに比例する ―Hair Make Wiz ―
千葉県内に11店舗を展開中で、つねに出店の引き合いが絶えないHair Make Wizグループ。その代表を務める歌代陵さんは、優れたビジネスマインドの持ち主として、有名美容師からも一目置かれる存在です。今回はそんな彼の経営スタンスの一部を明かしてもらいました。
経営者になるのはジョブチェンジと同じだった
高校生のころから美容室の経営をしたいと思っていました。経営者になりたいという想いが膨らむのと同時に、カリスマブームをきっかけに世の中の美容への価値観が変わりつつあることを、高校生なりに感じていたんですね。それで美容専門学校に進み、卒業後に千葉で美容師生活をスタートさせました。
経営者になると決めてこの業界に入ってきたから、仕事への取り組み方も普通の美容師さんとはちょっと違っていたかもしれません。「たくさんのお客さまの支持を集めたい」とか「誰よりも高い技術を習得したい」という気持ちは他の美容師さんと変わらないのだけれど、「すぐにでも経営に入りたい」という想いが強かったから、短期集中型で取り組んできたんですよね。経営がメインになったら、美容の技術が薄まってしまうと思ったので、限られた時間のなかに技術者としての学びを詰め込みました。
実際に経営に携わるようになったのは、20代の中ごろから。当時はまだまだ未熟で面食らいましたよね。というのも、美容師の延長線上にオーナーの仕事があるわけじゃないから、それまでの経験がまるで通用しないわけです。
ゲームで例えるなら、ジョブチェンジをするのと一緒。単純な話で、いくら技術が上手かったとしても、それだけでは人がついてこないですよね。最初のころは、地域一番店を目指す経営者のつもりなのに、中身は技術者だったんです。