百年に一度の不況下に生まれた“普通じゃない”サロン -代官山Door -
「吉澤さん、何考えてるの? 百年に一度の不況だよ」
RITZ時代には「フレーミングカット」を考案し、業界誌で取り上げられることも多々ありました。今や当たり前になった「ディレクター」を名乗ったのも、多分僕が最初だと思います。ディレクターとして全店教育を統括しつつ、セミナー講師として全国を飛び回っていました。
そんな中、僕のスポンサーになってくれるという方が3人現れたんですね。いよいよ独立するときがきたと思って仕事を引き継いでいたのですが、直後にリーマンショックが起こったんです。サーッと融資の話が引いていきました。
やむなく自分で独立資金をかき集めることになったのですが、経営者としてはド素人です。開業資金について相談した保証協会の人に「吉澤さん、今は100年に一度の不況だよ。そんなときに独立しようなんて、アンタは何を考えてるの?」と言われたこともあります。真剣に書いた事業計画書も7回、ダメ出しを食らいました。そのおかげもあり、融資は1発で通ったんですが、当時はやっぱり苦しかったですよね。業界誌にたくさん出ていようが、サロンで重要な役割を担っていようが、独立するときは関係ないと思い知りました。
でも、結果として資金集めから自分でできたのはよかったです。スポンサーの方に頼っていたら、本当の意味で経営者として一本立ちできていなかったかもしれませんから。