ガラスのハートの持ち主がつくった社交場 ―美容室Allen―
有名店勤務とフリーランスの美容師を経て、サロンオーナーになった中山雅世志(なかやままさよし)さん。「最初の一歩をなかなか踏み出せなかった」と語る中山さんに、独立するまでの葛藤やサロンに込めた想いについて語っていただきました。
飲みの席で独立願望が芽生える
美容師になる前に「いつか自分の城を持つ」って考える人、結構いると思います。でも僕は全然、そんなこと思っていませんでした。というのも最初に勤めたサロンでは、ただただがむしゃらに働く毎日で、目の前のことを全力でやることしか頭になかったんですよ。
独立を考えはじめたのは、ようやく美容師の仕事の全体像が見えてきたころ。「自分ならこうしたいな」という理想が生まれてくるようになったんです。
あとは飲み会も結構あったから、そこでオーナーとたくさん話せたことも大きいですね。オーナーの語るビジョンや成功体験を聞いたりしているうちに、自分も同じような経験をしてみたいと思うようになりました。
お酒がすすんだオーナーに、何度か「自分の店を持ちたいんですけど」と話したこともあるんですよ。そのときは、酔っているはずなのに冷静に「今は難しいよ」と言われたりしていましたね(笑)。
周りの先輩を見ていると、独立するのは大体、30代中盤くらいでしたが、僕自身若いうちにサロンを出したいと思いながらも、その一歩をなかなか踏み出せずにいました。店長をしていたこともあり、独立のタイミングを計れずにもがいていた時期もありましたね。