表参道の人気サロン「ANTI」で看板スタイリストとして活躍していたMATSUさんとCHIEさん。私生活では夫婦でもあるお二人は、2014年6月、代官山・恵比寿エリアに「PearL」をオープンさせました。「偉そうなことは言えないですが…」と謙遜しがちなMATSUさんでしたが、そのお話から「応援される独立」のヒントが見えてきます。

「好きなこと×お洒落」で美容師の道へ

高校生のころ、将来をボーッと考えていた時期がありました。そこで出た結論は、「スーツを着る仕事は違うな」ということ。スーツを着る仕事は、個人の頑張りが評価されにくいと当時の自分は思っていたんですね。そういう想いもあり、「好きなことを仕事にしたい、歳を重ねてもお洒落でいたい」というテーマで仕事を探していました。

そして、自分の髪を変えるのが好きでしたし、魅力的な大人の男性が多いイメージを持っていたので、美容師の道を選ぶことに。ただ、当時の僕はとにかく奇抜な髪型がカッコいいと思っていたんですけどね（笑）。

その後、美容専門学校に進学して、上京。都内の人気店からいくつか内定をいただき、ANTIのオーナーである小松さんに魅了されて入社を決めました。それから16年間、僕はANTI一筋で美容を学びました。

世の中に確かな価値を提供して評価されたいと願う自分にとって、一国一城の主になるのは美容師になる前からの夢でしたが、美容師生活が始まると、不器用な自分は、自分の力量不足を感じる時間がほとんどでした。身の回りにいた先輩も、オーナーの小松さんはじめ、現在も美容業界で知られている本当にすごい方ばかり。追いつけ、追い越せとがむしゃらに過ごすうちに、30代になっていました。

ちなみに僕は、1年目から先輩に生意気な意見ばかり言っていましたが、本音でぶつかっていたから今もみなさんに可愛がっていただけるかなと思っています。