本当に求めている髪はなんなのか?お客さまの心を感じるための習慣 -orente 表参道 by rcid 大野道寛の習慣 後編-
お客さまは本当に持ってきた画像の髪型にしたいのか?
僕のもとにも、なりたい髪型の画像を持ってくるお客さまがいます。そのときも、「なんでこの画像を持ってきたんだろう」と考えます。いっぱい探したけれど、自分が気に入る髪型がないから、なんとなく顔がかわいい女の子の画像を持ってきたとか、結構あるんですよ。お客さまは髪型のプロじゃないから、うまく言語化できないわけですよね。
カウンセリングを通じて本当にやりたい髪型を引き出したとき、その画像通りではベストじゃない。もしかしたら、必要なメニューもカットではなく、トリートメントなのかもしれない。もしかしたら、手入れが大変だと知っていたらやりたくない髪型だったかもしれない。だから画像を見て、全く同じには切りません。お客さまだって、画像よりもかわいい髪型になれるんだったら、そっちのほうがいいはずですよね。
昔は1日30人切る美容師さんがたくさんいましたし、私にもそういう時期がありました。
それだけたくさんのお客さまがいたら、カウンセリングもあってないようなものです。それを否定するつもりはありませんが、僕はそのお客さまだけのオートクチュールの髪型をおつくりしたい。お客さまはたくさんの情報の海に飲まれて、迷っています。一緒に髪型を決めて、導いて差し上げる作業が必要。だから僕は、感じる力を日々磨いているんです。
- プロフィール
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orente代表
Lily
TJ CEO
ショート・ボブ専門美容師®︎ 大野道寛
日本初のショート・ボブ専門美容師®︎。有名サロンで10年勤めた後に独立。YouTube登録者数18.7万人。新規客はショート・ボブ以外はお断りするショート・ボブのスペシャリスト。独自のカット技術と似合わせ理論は「乾かすだけで形になって褒められるショート・ボブ」と全国の顧客から評価が高い。「内巻き縮毛矯正」とショートカットを融合させた技術で、髪質を理由にショートヘアを諦めていた多くの方の夢を叶えている。KAMI CHARISMA AWARD 2024 Greaty∞カット受賞。
Instagram:@michi1011ohno
(文/外山武史 撮影/松林真幸)