【COA三瓶大志】郊外の小さな理美容室から銀座一等地のテクニカルディレクター就任。カットへの飽くなき追求で圧倒的技術力を習得、教育で地域格差ゼロを目指す
教えた技術がどこかの誰かを笑顔にしているのが理想
3年前にベーシックカットを教えるためのオンラインサロンを始めました。きっかけは仁さんがすでに始めていて、すすめてくれたからです。僕は手広くやるというよりは「関わる人を全員幸せにする」というイメージで、300名限定で始めました。Instagramで告知したんですけど、当時のフォロワー数はまだ3000人ほど。それでも1期生として20人が入ってくれて。そこからいつの間にか増え、今は280人になりました。最初のメンバーには、『COA』スタイリストの伊藤雄大がいたんですよ。その繋がりでCOAの代表たちが僕の存在を知り、「三瓶って誰?」となっていたらしいです(笑)。
オンラインサロンでは、僕の技術をウィッグカットしながら細分化して伝えています。YouTubeで限定公開している映像は専属カメラマンがカメラ3台で撮影し、編集にもかなり力を入れて制作しています。インスタライブもしていますよ。もともと僕は教えるのが好きで、学生の頃から先生をしたいなと思っていたんです。コンテスト優勝を機に理容師歴2年目からメンズカットセットのデモンストレーションをさせていただいたんですが、それがすごく楽しかったんですね。その流れでセミナーも始めました。そこで気づいたのが、技術を教えることのやりがいです。とくに地方は技術を真剣に求めている人が多いですし、セミナー後に「お客さまが増えた」「カット料金を上げた」という話を聞くと、すごく嬉しいですね。
僕の最終的なカットのゴールは、地方の教育格差をなくすことなんです。SNSがこれだけ流行っても、地方の山奥や海沿いの美容室で都内の有名美容師のことや流行っているスタイルを知らない人はたくさんいます。でも、お客さまはSNSを見ているかもしれないし、「この髪型にしたい」と持ってきた写真は、東京でバズっている写真だったりするわけです。お客さまはそのお店に通うしかなくて、納得していないけどそこで切るしかないという現状を知ると、果たしてそれでいいのかな?と。僕のモチベーションは、自分と関わりがないお客さまがどれだけ笑顔になるかがポイントですかね。技術を伝えていくことで、自分がいない場所で誰かが笑顔になっているのが一番の理想です。