サロンワークはいつまで可能? 助産師に聞く美容師と出産
我が子との対面に期待が膨らむ出産。しかし、将来的に子どもを持ちたいと考える美容師、あるいは現在妊娠中の美容師のなかには、妊娠中の身体と美容師の仕事の両立について、不安を抱く方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、美容師の仕事が妊婦さんに与える影響について、助産師の浅井貴子さんにお聞きました。
妊婦の基本は体力をつけ、身体を温めること
-まず、一般的に出産を控える妊婦はどんなことに気を遣うべきでしょうか?
<食事>
妊娠初期は、つわりで食欲がなくなるので、あまり食べられないと赤ちゃんへ栄養を送れないんじゃないかと不安になる方も多いのですが、その時期の赤ちゃんは本当に小さいので、脱水さえ起こさなければ、それほど問題はないと思います。妊娠中期から後期になると赤ちゃんへ伝わる血液の量が増えて母親は貧血になりやすいので、鉄分、カルシウム、たんぱく質を意識して摂るようにしましょう。
<運動>
早産の一歩手前の状態である「切迫早産」と診断された人は、運動が制限されるので、なるべく重たいものを持ったりしないよう気をつけて、安静にするべきです。しかしそうでなければ、逆にしっかり運動をして、体力・筋力をつけましょう。
出産は、陣痛がきて赤ちゃんが産まれるまでに平均12時間かかり、その際富士登山くらいの体力を使うのです。それに、妊娠後期には、お腹のなかに約3kgの赤ちゃんと、2kgの羊水と胎盤が入っている状態です。スーパーで抱える5kgのお米をお腹に抱えて、歩いたり横になったり、お風呂に入ったり、仕事をすると考えたら、下半身に筋肉をつけておく必要がありますよね。
そのためにも日々運動をする必要があるのですが、暑い日は熱中症になりやすいので、温水のマタニティスイミングがおすすめです。水のなかで腹這いになれるので腰痛が解消されたり、バタ足をすることで足のむくみがとれたり。陸上でウォーキングをするよりも身体に負荷がかからず、つまずいて転ぶ危険性もない上、きちんと汗をかくので身体も温まります。
<習慣>
まずは当然のこととして、妊娠初期と言われる12週目までは、喫煙、アルコール、放射線、ドラッグに特に気をつけること。また、最近妊婦さんの身体の冷えがとても問題になっており、例えばお尻が冷えていると、出産時に弱い陣痛しかこなくて難産になる可能性があります。近頃はお風呂をシャワーだけで済ませる人も多いと思いますが、身体を温めるためにしっかり湯船に浸かりましょう。
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