「異国で働くことは美容師人生に大きな糧を与えてくれる」ブラジルで働くDOMI河野泰吾さんが語る海外で働くということ
グローバル化が進むなかで、日本を飛び出し、海外で働くことも美容師の働き方の一つ。日本の美容師は技術が高いこともあり、海外でも活躍している方は多いですよね。ブラジルのサンパウロで働く「DOMI」の河野泰吾(かわのたいご)さんもそんな美容師さんの一人。
今回は河野さんに海外で働くことの苦労や楽しさ、働き方などを伺いました。海外で働きたいけど未知の世界に飛び出すことに躊躇しているスタイリストさんは必読です。
ブラジルの美容師は残業をしません
-河野さんのこれまでのキャリアを教えてください。
長崎の専門学校を卒業し、 東京のサロンで5年間働きました。その後にアメリカのニューヨークで1年ほど勤務。それから日本に戻って、今度は兵庫県の西宮にあるサロンで働きました。そしてブラジルのサンパウロへ 。サンパウロでは5店舗の勤務を経て、2014年に独立してDOMIをオープンさせました。
-たくさんの都市で働かれているんですね。日本とアメリカ、ブラジルの3つの国では美容師の働き方にどんな違いを感じましたか?
ブラジルでは基本的に残業はしません。美容師以外の職業もそうなんですが、就業時間前に支度をし、就業時間が終わると同時にサロンを出ます。アメリカもブラジルと同じような感じでした。その一方で日本の美容師さんはみんなが終わるまで帰れませんよね。
-働く国としてブラジルを選んだ理由は何ですか?
ニューヨークで働いていたときにブラジル人の美容師さんと出会ったのがきっかけです。その人と結婚して、奥さんの国であるブラジルへ行こう、と。
-愛する人のために国境を超えるなんてロマンチックですね。異国で生活するうえで苦労はありますか? 逆にブラジルで生活するなかで、どんな魅力を感じていますか?
ポルトガル語がまだまだなので、会話を完全に理解できず、苦労していますね。たとえば仲間たちと笑い話をしているとき、自分だけ話の内容が理解できず、つくり笑いするときに疲れるなぁ~と感じます。魅力はなんといっても人の心の温かさですね。女性、お年寄りに優しいのはもちろんですが、特に子供に対して寛容。道ですれ違うとき、他人が子供に話しかけたり頭を撫でたりします。そしてその子が大人になったときにまた、他人の子供にそう接します。そんな素敵な人たちと接していると自分もそうなりたいと思います。それがブラジルの素晴らしい部分です。
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