売れっ子美容師がブライダルの仕事をはじめて、知ったこと―BOTTOMS金子真由美さん
サロンワークと両立しているからこそできること
私は、サロンワークがとても好きでやりがいを感じています。ブライダルのみですと、お会いするのはリハーサルと当日の2回だけ。ですが、通常のカットやカラーも担当させていただけたら、よりお客さまとの信頼を深めることができます。サロンワークではお客さまとずっと関わっていくことができる。だから、私はサロンワークも大切にしていきたいんです。ブライダルだけに専念しようという気持ちはありません。
花嫁さんがお色直しのタイミングで髪をばっさりカットしたいというオーダーがあったのですが、お色直しの時間は大体30分程度。時間内にベースの巻き髪を伸ばし、カットからスタイリングまで仕上げるとなると、カットにかけられる時間は7分くらいです。でも、そういうタイム感でカットできるのは普段からサロンワークをしているからこそ。ヘアショー張りのカットスピードで、お色直しのサプライズができるのは私だからできることだと思います。
逆に、ブライダルをやっているからこそサロンワークに役立つこともあります。結婚式の参列のためにヘアセットにこられる方には、式場の場所や式後の予定などをうかがって、ヘアアレンジの提案ができるようになりました。「海沿いの会場は風が強いことが多いので、おくれ毛が顔にかかることがないように」とか、「式から二次会まで参加するなら、長時間過ごしやすいスタイルがいいかな」とか。いろいろな結婚式や二次会を見てきたからこそ、シーンに合わせて提案ができるんです。
最終目的地は“美容師”であり続けること
よく「10年後どうなっていたいですか?」と目標を聞かれることがありますが、私の場合は“現状維持”。私がやりたいかやりたくないかではなくて、求めてくださる方がいるなら、期待に応えられるよう、しっかりやらせていただきたいと思っています。お客さまに喜んでもらうことが1番というところは、サロンワークとブライダルの仕事に通じる部分です。
雑誌の仕事をしなくなろうが、ブライダルの仕事をしなくなろうが、根底にあるのは美容師であること。長い目で見てどうなっていたいか、ということであれば、最終目的地は“美容師”であり続けることです。
- プロフィール
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BOTTOMS スタイリスト
金子真由美
広島県出身。関西美容専門学校卒業後、都内有名サロンで8年間勤務。2016年に『BOTTOMS』入社。大人かわいいヘアアレンジが人気を呼び、Instagramでも大人気。女性ファッション誌やTVなど、幅広く活躍している。
(取材・文/土屋美緒 写真/芝崎テツジ)