23歳で新規出店を任された美容師の、マイポジションのつくり方—ALIVE 白土諒さんの働く理由
次世代のサロンリーダーを期待される若手スタリストに聞く「このサロンで働く理由」シリーズ。今回は新進気鋭のサロン「ALIVE」で、入社4年目にして新店の店長を任された白土諒(しらとりょう)さんを訪ねます。
SNS上で有名なあの“はんぺん”さんこと、中村雄樹さんと同期の白土さん。強烈なキャラクターを持つライバルを隣に見ながら、どのように自分らしい成長の道筋を見つけていったのでしょうか。なりたてほやほやの店長エピソードを中心に、白土さんに「働く理由」を語っていただきます。
今の売上と、新しい挑戦。天秤にかけて勝ったものとは?
店長の話をもらったのは、昨年末のことでした。そのときはまだ吉祥寺店のオープンが決まっておらず、それまで働いていた表参道店の店長に、という話でした。その後、吉祥寺への出店が決まり、それを聞いて自分から直訴して吉祥寺店の店長を務めさせてもらうことになりました。
新しくオープンするお店の店長……。絶対に楽しいだろうなと思ったんです。
表参道や原宿とは違う郊外といわれる街で、自分がどれだけできるのかを試したい気持ちもありました。新しいことにチャレンジするワクワク感ももちろんあった。それにこの年齢でいちからお店をつくる経験なんて、そうそうできることではありません。このチャンスを逃したくない。そう思いました。
直訴したのはスタイリストデビューして半年が経ったころでした。売上も伸びてきていたし、働く土地を移るリスクはもちろんわかっていました。でもそれと天秤にかけても新しい挑戦への期待のほうが、僕の中では圧倒的に勝っていたんです。
若い力を生かして原宿、表参道のALIVEに負けないお店に
オープンの2ヵ月前からスタッフとミーティングを重ね、価格帯からメニュー構成、その他すべてのルールを一緒に決めていきました。表参道店、原宿店のいい部分は受け継ぎながら、新しくするところは新しくしていこう。そんな気持ちで、一つひとつ確認していく作業でした。
その中でみんなにずっと伝えてきたのは、なんでも楽しんでやろうということと、新しいことにどんどん挑戦していこうということ。
吉祥寺店は他の2店舗と比べてもスタッフの年齢が若いお店です。若い世代の得意分野でもあるネットを使った発信を、これまで以上に強くしていこうと話しました。今はALIVEでは少なかった動画での発信を強化したり、インスタグラムのカルーセル投稿など新しい機能を積極的に使うことなどを意識しています。
サロンの方針を決めるにあたり、もう1つ挑戦したのは価格帯です。
吉祥寺は表参道・原宿エリアよりも低価格帯サロンが多いエリアですが、表参道店と変わらない価格設定にしました。価格を下げるとお客さまはくるかもしれないけれど、経営のバランスも変わるし、スタッフの売上も上がるとは言い切れません。
僕がつくりたいのは若い人が売上を上げられて、「ALIVE」の表参道店や原宿店に負けないお店。価格でお客さまにきてもらうのではなく、スタッフそれぞれが自分と向き合って努力し続け、将来的にしっかり売り上げられるお店に成長していくことをねらいました。