びよう道 vol.9 AFLOAT CEO 宮村 浩気さん 〜お客さまも、技術も全部リセットして、自分のデザインを探した〜
「びよう道」とは、上達の喜びを積み重ねることだ
周りからは僕のことがどう見えているかわかりませんが、もともと不器用だから最初から上手くできたことってそんなにないんですよ。1年目のころは不器用だし、あんまり練習もしていませんでした。勉強会も好きじゃなかったですね。営業後に先輩の目を盗んで帰っていました。
でもあるとき、オーナーが「最近の1年目は、クソだな」と言っているのを聞いてしまったんですよ。練習熱心ではなかったかもしれないけれど、掃除などの仕事は一切手を抜かずやっていたんです。さすがにカチンときて、今に見てろよ、と。次の日から朝6時からサロンにいって練習をするようになりました。
ただし、要領があまりよくないから、ただ数をやればいいと思っていました。一度、サロンのシャッターを閉めたあとに戻ってきて、こっそり練習したこともありましたね。バレてめちゃくちゃ叱られましたけれど。夜遅くまで残らせてもらえないから、誰もいない早朝、先輩がくるまでの3時間が勝負でした。頭のいい人ならもっと効率のいいやり方でやったんでしょうけれど、それができなかったんですよ。でも、反復練習を繰り返したおかげで、技術が体に染みついていきました。ちなみに、後々知ったんですが、オーナーが言っていたクソな1年目は僕のことではなかったんですけれどね(笑)。
僕はデビューまで苦労もしましたけれど、今のAFLOATにはとくに意気込んだ様子もなく、毎日普通の時間にきて練習して2年半でデビューした子もいます。きっと、一つひとつ技術を習得していくことが楽しかったんでしょうね。僕はこれがすごく大事なことなんじゃないかなと思っています。彼女は仕事の喜びを早くから感じられたから、デビューも早かったのでしょう。デビューが早かろうが遅かろうが、どちらでもいいんです。上達の喜びを感じることが大事だし、喜びの積み重ねが「びよう道」なんだと思います。
- プロフィール
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AFLOAT CEO
宮村 浩気(みやむらひろき)さん
2000年4月 afloatを設立。サロンワークでは、女心をくすぐるスタイルを常に提案し、『女性を必ず綺麗にする』をモットーにしている。一般誌・CM・TV・ポスター・業界誌等、ヘアメイクでも豊富な実績を持つ。多くのタレント・モデルからの信頼が厚く、公私にわたりヘアメイクを一任されている。美容業界においても、業界誌、セミナー、ヘアーショー等幅広く活躍。10月15日に宮村氏自身がどうやって『AFLOAT』を経営し、業界の中で驚異といわれる成長をなぜ達成できたのかを50項目に分けて伝授するビジネスヒント集『任せ切る勇気』(枻出版社)を刊行。発売直後からベストセラー入りを果たしている。
『任せ切る勇気』(枻出版社)
https://www.ei-publishing.co.jp/magazines/detail/c-487547/