びよう道 vol.7  Of HAIR古里オサムさん 〜心の底から美容師を楽しむためには、「突き詰める時間」が必要だ〜

美容師の修業は、いつまでたっても終わらない

 

 

今回は修行時代の話ということですが、僕は今も修業中みたいなものですからね。修業って延々と続くものなんじゃないですかね。たとえば、僕も歳をとって指が動かなくなってきていますから、指の可動域をひろげるためにストレッチをしています。自分で写真を撮ったり、ピンタレストで気になるデザインを見たり、デザインの引き出しを増やすことにつながることもしています。

 

僕らが求められるヘアデザインって、時代とともに変わっていくものなんですよ。ちょっと前ならアイロンで巻くスタイルが人気でしたよね。でも、今はエフォートレスの時代だから、アイロンで巻くことを前提にしたスタイルはそこまで求められていない。たとえば、エフォートレスが流行っている今なら、ナチュラルウェットに仕上げられるデザインにしていくことが大切になってくるかもしれません。つまり、時代を読んで、自分でチャンネルを変えていかなきゃいけないということです。

 

歳をとって売れない美容師になってしまうのは、チャンネルを変えていないからなんですよ。時代がどんどん変化していることに気づかなきゃいけない。髪型は時代を感じさせるものだから、なおさらです。

 

 

僕は昔から、人間ウォッチングが好きです。先月もニューヨークにいって、街を歩いたり、カフェでくつろいだりしながら、たくさんの人を見てきました。電車に乗ったら、乗客のヘアスタイルを見るし、中吊り広告を見るのも好きですね。中吊り広告には、今の時代の気分がコンパクトにまとめられています。

 

最近ね、エフォートレス風の髪型が増えているんだけれど、ちゃんと意味をとらえられていない人が多いのかなって気がしますね。エフォートレスって自然体で「作り込んでいない」ように見えるんだけれど、本当に何もしないのとは違うんですね。みんな、そのことをきちんと伝えられているのかな、と感じることもあります。

 

>自分に厳しければ厳しいほど、いい美容師になれる

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