びよう道 vol.7  Of HAIR古里オサムさん 〜心の底から美容師を楽しむためには、「突き詰める時間」が必要だ〜

技術を体にしみこませ、お客さまからも学び、引き出しを増やす

 

 

僕が比較的早く売れたのは、21歳のときに大きな美容コンテストで優勝したからです。そのころは、本当にお正月も休まないくらい美容に没頭していましたね。あんまり器用なほうではなかったので、体にしみこむまで繰り返し、繰り返し練習していました。僕は右利きなのですが、今は右も左も同じくらいの感覚で動かせます。最初の頃はそれができなかったから、蛇口は必ず左手でひねるとか、弱い左を意識して使っていましたね。

 

お客さまにもいろいろなことを教えられました。世界的なラグジュアリーブランドで活躍されているかたの髪を切ったときは、「そうじゃなくて、もっと、もっと前髪を切って」と言われて、要望をくみ取れず、「なんだか情けないな…」と思ったことも。お客さまがどういう服をつくっている人なのか、本当の意味での理解をしていなかったからです。それから、洋服を勉強するようになり、毎年パリコレを見にいくようになりました。そうやって勉強をすればするほど、引き出しが増えていったんです。

 

美容師の仕事って、お客さまの「新しい自分」を発掘することなんですよ。それまで出会ったことのない自分に出会わせるとか、気持ちのいい髪型を手に入れることで、「もっと美しくなりたい」と心を刺激することだと思うんです。そのきっかけは、必ずしも髪ではなくてもいいのかなと思います。

 

 

>美容師の修業は、いつまでたっても終わらない

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