びよう道 vol.7  Of HAIR古里オサムさん 〜心の底から美容師を楽しむためには、「突き詰める時間」が必要だ〜

 

美容室でも待遇や休日が大切と言われる時代。もちろんそれも大切ですが、美容人生のどこかでは“心も体も美容でいっぱい”という時期があってもよいかもしれません。

 

「びよう道(みち)」は、そんな地道で壮大な鍛錬の道を歩んできた“美容の哲人”に、修業時代に一人前になったと思った瞬間や美容の哲学など、それぞれの美容の道を語っていただく連載企画です。

 

第7回目は、Of HAIR代表の古里オサムさんに、ご自身の修業時代のお話や、修業観について語っていただきました。

 


 

美容師は、お客さまの魅力を引き出し、笑顔にできて一人前

 

 

昔ね、大好きな彼女に覚えたてのカットで髪を切ったんだけど、そのことが原因で振られてしまったことがあったんですよ。僕は一生懸命に切ったんですが、新しい髪型でデートしている最中もずっと不機嫌で、「ああ、これは失敗しちゃったのかなぁ」って考えていました。きっと彼女に「どうして私の気持ちを汲んでくれなかったの?」って思われてしまったんでしょうね。

 

僕が思うに、美容師として一人前っていうのは、自分の好きなものをつくるんじゃなくて、お客さまの魅力を引きだして、笑顔にできるようになることだと思います。お客さまによってはガーリーが好きだったり、モードが好きだったりするんだけど、好みを踏まえて「引き出す」ためには、美容師がいろいろな「引き出し」をもっていないとできません。美容師の引き出しっていうのは、たとえば技術であり、時代を読む力だったりします。

 

僕は22、23歳くらいのときには、すでに400万円、500万円くらいの売上がありました。けれど、だからといって、美容師として一人前だとは思っていなかったですね。お客さまを笑顔にすることができて、お客さまがご家族や友人、恋人など、大切な人を紹介してくれることがどんどん増えていって、美容師としての自分の存在が認められて、ようやく自信がついてきたのかなと思います。

 

>技術を体にしみこませ、お客さまからも学び、引き出しを増やす

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