びよう道 vol.24  UMiTOS 砂原由弥さん 〜メディアの感性にはたった一つの正解がある。なんとなくの「ニュアンス」じゃ伝わらない。〜

強いこだわりがあれば「針穴に糸を通すような秘策」が出てくる

 

 

2020年には、オムニバス形式の授業、慶応義塾大学の「21世紀の実学」の講師にも選ばれました。テーマは「自分を見つけるためのスペキュラティブデザイン」です。その人のなりたい自分に近づけるために、髪だけではなく「その人自身」をデザインしていく考え方を講義させてもらっています。

 

私、人が大好きなんですよ。現場でも相手の魅力はどこにあるんだろうって考えて、すぐ見つけちゃいます。だから、プロデュースやコンサルは得意だと思う。それに好きなことだから、想像が自然とふくらむんです。

 

 

 

ヘアメイクとサロンワークの両方やっているから、長らくお客さまを飽きさせず、新鮮な髪を提供することができます。「またきたい」「また頼みたい」と思ってもらえるのは、カットとしての創造性があるから。髪を切るサービスをしているのではなく、感性を提供しているからです。

 

 

最後に、これを読んでくれている若い人にぜひおすすめしたいのは、自分がこだわりたいことに対しては、どうしたらそれができるのか突き詰めて考えることです。好奇心と探究心、真面目さがあれば必ず、針穴に糸を通すような絶妙な秘策が出てくるはず。自分に力がないと難しいけれど、一つひとつ積み上げていけば、困ったときも苦肉の策を出せるようになるから大丈夫です。私はクリエイターとして、質を上げるための苦肉の策を繰り出すことが好きだから、楽しくやってこられたんですよ。

 

プロフィール
UMiTOS
代表/砂原由弥(すなはらよしみ)・ちょきみ

都内の有名店店長を経て、出産を機に2008年に独立。 母親が40年間続けてきた美容室を継ぎ、千葉県南房総に「海と砂原美容室」をオープンののち、2011年青山に「UMiTOS」をスタート。サロンでは「共生教育」という独自の教育方法を実施している。ファッション雑誌、美容業界誌の表紙、CM、ドラマ、大河ドラマのポスター含め、PV、広告、G20大阪サミットヘアメイク参加、カンヌ、ヴェネチア、香港、日本アカデミーショーなどの映画祭など多方面に活躍し、サロン活動に加え、芸能人のヘアメイクも数多く担当。TV番組「世界一受けたい授業」出演。全国各地からのセミナー講師、カットコンテストやフォトコンテストの審査員などのオファーも絶えない。著書に『なりたい自分は髪でつくる』(誠文堂新光社)、『はじめてのおうちカット』(アノニマ・スタジオ)、共著に『一刻もハヤクツマラナイゲンジツから脱出スル方法』(コワフュール・ド・パリ・ジャポン)などがある。

 

 

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