びよう道 vol.21  Velvet on the Beach桜井章生さん 〜「やる!」と決めて退路を断て。自分の頭で考え、もがき、疑問を持て。それが上達の近道だ〜

いまだに自分より若い奴に嫉妬することだってある

 

 

いつの間にか僕もサロンワークや撮影、セミナーに携わらせてもらえるようになり、独立もしました。でもだからと言って、自分が一人前になったと思ったことはないんですよね。周りの人の仕事を見て「ああ俺はまだできていないな」と思うこともあるし、めちゃくちゃ活躍している30代とかの若い人を見ると「先を越された!」と思うこともある。嫉妬もするし、悔しがったりもするから、自分が一人前だなんて考えられないです。

でも、自分の店を出して自分が給料を払う側になったときに、「一生懸命働いていっぱい給料をもらうんじゃなくて、みんなと頑張って強い会社をつくらなきゃいけない立場なんだな」と思いました。いざサロンを経営してみると想像以上に上手くいかなかった。自分一人でやっているほうが楽なんですよ。自分が突き進めばいいだけなので。今も一人前だとは思わないし、悪戦苦闘しながらやっています。もう14年経つんですけれどね。

 

 

いいときと悪いときの繰り返しですけど、その中でもうれしいのはオープニングからメインアシスタントをしてくれていたスタッフの松嶋が柏店の代表をしてくれていること。昔は熱くて気性が荒いぐらいのヤツだったんですが、今は穏やかで強い人間になってくれた。彼の成長に関われたこと、彼がやりたいことを手伝えたことは、僕自身の成長にもつながっている気がします。

 

興味がある世界にまず飛び込むこと! 話はそこから

 

 

もし僕が若い子にアドバイスするとしたら、準備することも大事だけど、「とりあえず飛び込んでまえば?」ってことです。準備に完璧なんてないし、興味のある世界に飛び込んでみてはじめて自分に足りないものがわかるし、やってみて初めて自分に向いていることがわかるんじゃないかな。だからメイクをしたいと思っているなら、メイク道具一式を買ってみる、とか。カメラを覚えたいならカメラを買ってしまえばいいし、カットの練習をしたかったらモデルさんをたくさん呼び集めればいいと思います。

 

 

やるべきことをきっちりやることも大事だけど、もっと大事なのは自分の時間を使ってやりたいと思っていることにどんどん挑戦すること。なぜなら、誰かにやらされていることと、自分がやりたいと思っていることとでは身につくスピードが全然違うから。

 

お金にルーズなのはダメだけど、やりたいことのために自己投資をガンガンするのはアリだと思う。リスクを負うのが嫌だからと言って何もしなかったら、面白くないし、何もしないことこそリスク。やりたいことがあるなら、どんどんやっちゃってください。

 

 

プロフィール
プロフィール
代表/桜井 章生(さくらい あきお)

京都府出身。2007年10月青山に”ナチュラフェミニン”をテーマに「BEACH」をオープン。2015年2月に”クールフェミニン”をテーマにした新ブランド「Velvet on the Beach」を表参道にオープン。2017年「hair lounge beach Soup'e」を柏市にオープン。繊細かつ大胆なデザインとカット技術に定評あり。サロンワークの他セミナー、専門誌、一般誌、ヘアメイクなどマルチに活躍中。

Velvet on the Beach  http://www.beach-glc.jp/velvet/

 

(文/外山 武史 撮影/菊池麻美)

 

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