SHEA坂狩トモタカさんのびよう道 ~美容師の未来は、今どこに投資するかで決まる!お客さまが20年通い続ける美容師になるには

転々と店を変える美容室ジプシーを、僕が止める

 

 

撮影など外部の仕事で知名度を高める努力をしていたのは、集客が目的です。でも、僕が一番やりたかったのは、ただ集客するだけではなく、「自分のお客さまを作ること」でした。フリーのお客さまが入っても、その場限りでは意味がない。リピートしてもらわないといけない。当時の僕は、根拠はないけれどリピートしてもらうことに自信はあったので、「1カ月に10人の新規が入れば、売上は確実に上がる」と思っていました。実際、1年半くらいで月の売上が200万円を超えるようになったんです。最初に勤めていた代官山のサロンに来てくれたフリーのお客さまの中には、今でも通ってくださる方がたくさんいます。

 

集客サイトを活用する上で思っていたのは、「この人がこれからいろんな美容室を10回くらい転々としても、最終的に僕のところで落ち着くようにしたい」ってこと。そのためには、美容師としての技術は大前提だけど、それだけじゃ足りない。お客さまが「また来たい」と思うような関係性を作ることも大事で、そこに関しては強い意識を持っていました。

 

 

美容室って、「カットが上手い」だけじゃダメなんですよね。技術は最低条件。その上で『また行きたい』と思わせるかが勝負。ずっと思っていたのは、「そのお客さまにとって、今まで行った美容師の中で一番上手いと思われたい」、そして「この人なら自分の髪を大切にしてくれるという安心感を持ってもらいたい」ということ。フリーのお客さまでも指名のお客さまでも関係なく、「この人に任せてよかった」と思ってもらいたかったんです。

 

15年、20年と通い続けるお客さまがいる理由

 

 

今は担当するお客さまのことが、手に取るようにわかるんですよね。たとえば、「髪を明るくしたい」っていう気分のとき、何も言われなくても察知できる。元気がないときもすぐにわかるし、「何かありました?」って、自然と聞いてしまうんです。お客さまに対する興味しかないんですよ。「この人が一番素敵になるにはどうすればいいか?」って、常に考えている。だから、技術を磨くのは当たり前だけど、それ以上にお客さまとの関係性を大事にしているんです。

 

「今、このスタイルが流行ってるから」ってやるんじゃなくて、お客さまとの対話が大事なんですよね。その人の気持ちやライフスタイル、今の気分に合わせて、どうデザインするか。それが、ずっと変わらない僕のスタンスです。僕のお客さまには15年、20年通い続けるお客さまもいます。美容室は今や無数にあり、選択肢も多い。それでも「ここに来たい」と思ってもらえるのは、本当にありがたいことだと思います。

 

 

今、SNSを活用したスタイル発信で新規集客するのが主流です。でも、僕のお客さまはそういうのとはちょっと違っていて、「坂狩さんなら、私に似合うスタイルを作ってくれる」っていう信頼の上で成り立っているんですよね。自分自身キャリアを積んできていても、担当した時から一貫して『自分が一番その方を理解している美容師であり続ける』そんな思いが伝わっているような気がします。

 

>自分の成長が止まったら、お客さまは来なくなる

 

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