SHEA坂狩トモタカさんのびよう道 ~美容師の未来は、今どこに投資するかで決まる!お客さまが20年通い続ける美容師になるには

 

美容室でも待遇や休日が大切と言われる時代です。もちろんそれも良いですが、美容人生のどこかで“心も体も美容でいっぱい”という時期があっても良いかもしれません。

 

「びよう道(みち)」は、そんな地道で壮大な鍛錬の道を歩んできた“美容の哲人”に、修業時代に一人前になったと思った瞬間や美容の哲学など、それぞれの美容の道を語っていただく連載企画です。

 

美容師という仕事は、技術が最低条件。その先にあるのは、お客さまに「また来たい」と思わせる関係性を築けるかどうか——そう語るのは、SHEA(シア)坂狩トモタカ(さかがりともたか)さん。サロン代表として、また第一線のプレイヤーとしても活躍する坂狩さんの美容人生を支える根幹は、時間も、学びも、すべては自分自身の成長のために投資し続けるという哲学です。今回は、そんな坂狩さんの「びよう道」に迫ります。

 


 

有名店出身のエリート美容師ではない

 

 

僕は雑誌に載るような有名店の出身ではないんです。誰かが手を引いてくれる環境ではなかったので、自分が「こうなりたい」と思ったら、そこに向かって積極的に動くしかなかった。「とにかく技術を早く身につけること」が大事だと思っていたので、毎日一番に出勤して、最後に帰る生活でしたね。深夜に帰ろうとしたとき、ふと隣の美容室の灯りがついているのを見ると、「まだやってるんだ」と思って、もう一度店に戻って練習することも。それくらいの熱量でやっていました。

 

「スタイリストになった後にどう評価されるか」をいつも意識していて、社内の評価も大事だけど、それ以上に「外の評価」を作りたいと思っていたんです。そんな思いで、初めて作品を投稿したのが、実は「雑誌リクエストQJ」でした。「23区」をテーマに撮影し、投稿したんですよね。それが誌面に掲載されて、フリーペーパーとして専門学校にも配布されることに。今思えば、あのときの一歩が今の自分につながっているんじゃないかな。

 

 

アシスタント時代は、一秒も無駄な時間を過ごしたくなかった。「今やらないと未来がやばい」っていう焦りがあったし、美容に時間を投資することが未来の自分の安心材料になると思っていました。あの時やっておけばよかったなという後悔が、もったいなさの極みだっていう考えが当時からあったんですよね。誰もやっていない時代から当時のSNSであるmixiを使い始めたり、パソコンを買って情報を集めたり、自分の世界を広げるためにできることは何でもやっていましたね。イベントに行ったり、オフ会に参加して髪を切らせてくれる人を探すこともありました。アシスタントの頃から、業界誌の編集部に「Bookを見てください」って持ち込んでいたんですよ。「何これ、練習?」みたいにボロカスに言われることもありましたけど(笑)。

 

 

1年目で賞与を頂きいた時に買った技術本は今でも覚えてます。HEAVENS 代表 小松敦さんの『ツーセクションのすべて』ですね。「これは絶対に自分のためになる」と思って迷わず買いました。その頃から、「美容師は先行投資すべきだ」という確信を持っていましたね。お金がないアシスタント時代にできる投資は、やっぱり「時間」しかなかった。他の人と違う努力をしないと、この世界では生き残れない。シンプルにそう考えていました。

 

>転々と店を変える美容室ジプシーを、僕が止める

 

Related Contents 関連コンテンツ

Guidance 転職ガイド

Ranking ランキング