JIL BLAN 和泉貴大さんのびよう道 〜借金300万円、美容師売上6万円……!どん底から100店舗展開への逆転劇〜
気を抜いたらまた辛い時代に戻るかもしれない……危機感はいつもある
さんざん辛酸をなめてきたからこそ、今でも謙虚な気持ちで日々の仕事に向き合えています。たとえ収入が安定しても、「気を抜けばまた辛い時期に戻るかもしれない」という焦りが今でもありますから。今では、Instagramで投稿することが「息をするのと同じくらい」当たり前の習慣になっています。何時に投稿するか、どんなタイミングで上げるかが体に染みついていて、会食中でもトイレに行くふりをして更新したりするほど。ネット上での自分が常に働き続け、拡散してくれることで店舗の成長が加速している実感があります。
アシスタントを7年間続けて得た経験と、逆境から見出したハイライトテクニックは自分の財産です。トレンドサロンの時代から、ターゲット層は25歳から40歳くらいのロングヘアで、カジュアルなデニムスタイルが似合う女性。そのように具体的なペルソナ像を固めて、その層に刺さるような撮影やスタイルを意識していました。当時は集客がはかどらなかったけれど、世の中的には高齢化社会だし、大人女性の割合がどんどんと増えていきます。ターゲティングに間違いなかったし、時代が追いついてきました。
そうして、先輩のサロンから独立し、コロナ禍に3人の代表で表参道のサロン「SIGN」を立ち上げました。ただ、郊外や地方へ出店したいという僕の戦略と、代表2人の考えが合致しなかったので、自分の考えを具現化するためにJILBLANを立ち上げることにしたんです。
ハイライトと顔まわりのカットという自分の強みを軸に、JIL BLANを全国に拡大していきたいと思っています。今後の10年、少子高齢化が進む中で、白髪をボカす技術が求められるのは明白。派手ではないけれど、確実に当たる施策を長期的に伸ばしていくことが、僕のビジネスモデルの根幹です。5年で100店舗を目指すビジョンもありますが、急激に拡大するのではなく、ビジネスとして持続可能なカタチで、仲間を選びながら、信頼されるブランドを展開していきたいんですよ。
ちなみに、プレイングオーナーとして100店舗を達成することが目標です。今の美容業界に、100店舗までやってフロアに立って施術している人はいないですよね。まだ先は長いですが、プレイヤーとしても経営者としても一流と認められる人になって見せます。