JIL BLAN 和泉貴大さんのびよう道 〜借金300万円、美容師売上6万円……!どん底から100店舗展開への逆転劇〜
薄給なのに借金300万円!84円の牛肉コロッケで食いつなぐ
一方で、服にお金をかけていたので、気がつくと借金が300万円くらいありました。消費者金融から借りていたので、1万5000円返済しても元本は7500円しか減らない。スタイリストデビュー後も売上は上がらず、借金は膨らむ一方。今考えると20代の女性が多いトレンドサロンなのに、大人女性をターゲットにしていたから営業成績が振るわないのは当然だったんですが。結局サロンを辞めることにしました。
フリーランスになってからは、美容師としての収入がわずか6万円という地獄。美容師だけじゃ食えないですよね。なので、美容師を続けつつ、カフェや居酒屋でのバイトを掛け持ちすることに。朝8時から夕方6時までは美容師、その後すぐに隣の店舗で着替えてホールスタッフとして働くみたいな感じで、なんとか収入を確保していました。
月30万円の収入のうち25万円を返済に充てて、残りのお金で生活。彼女と家賃も折半して、食事はバイト先のまかないと84円で買えるファミマの牛肉コロッケ。実家から米を送ってもらったので、ご飯だけはありました。お金はなかったけれど、全然気持ちは前向きで、「1日84円で暮らして、月25万円返済する俺すごくない?」と思っていました。
28、29歳を迎える頃には返済が完了。ちょうど美容師としての基盤も少しずつ固まり始めた時期でした。前職のサロンの先輩が店舗を出して、僕はその教育役を任されたんですね。「新しく入る子をイチから教えてほしい」とのことで、自分も再度美容の技術を深めるきっかけになりました。
また、トレンドサロンで働いていたころから、毎日Instagramで投稿をしていたんですが、ボブのバレイヤージュが当たったんです。一度火がついたらそのあとは爆発的にフォロワーや集客が増え、それから今に至るまで売上も右肩上がりになりました。あっという間に給料も100万円を突破し、お世話になった人への恩返しができるようになったんです。
>気を抜いたらまた辛い時代に戻るかもしれない……危機感はいつもある