NNN NOBUさんのびよう道 〜常にトップを目指す。常識を超え、我流の道を極める。
ALBUM HAIRを新規予約数日本一のヘアサロンに
やがて雑誌ブームが終わりを迎え、次はSNSの時代が来ました。僕がInstagramを始めたのも、その頃です。まだ誰もやっていない時期だったので、目立つことができました。
Instagramを通じて、ALBUM HAIRの代表槙野(槙野光昭さん)と出会ったんです。その頃、ファストファッションが盛んになっていて、H&Mのように価格を抑えつつ質の高いサービスを提供するスタイルが流行していました。それを美容室に置き換え、業務委託形式でスタッフが辞めにくい仕組みを作りながら、「日本一のサロンを作りたい」と強く思うように。そして、まさにそのタイミングで僕らが出したスタイルが当たったんです。カラフルなカラーを取り入れたスタイルを打ち出すと、それが一気に渋谷のギャルたちに受け入れられて人気爆発。その結果、サロンの予約もひっきりなしに入るようになり、ALBUM HAIRがホットペッパービューティーで日本一の予約数を記録しました。
とにかく僕は、どこに行っても一番になることしか考えていません。僕が関わればその会社もトップになるし、自分自身も必ず一番を目指す。それが行動原理なんですよ。今ではその時一緒に働いていたスタッフたちが成長し、僕と肩を並べるような存在になっています。特に、NATSUMIなんかは日本一のサロンを作る過程を共に歩んできた仲間で、彼女の成長を見ると本当に感慨深いものがあります。
恩師からの「卓越したわね」の言葉に感動
僕自身、美容師として、人として一人前かどうかわからないですけど、いわゆる巨匠たちに何か言われると、やっぱり嬉しいですよね。専門学校時代は悪さばかりしてたんで、そんな僕がセミナーに呼ばれるなんて思ってもいなかったんです。でも、ル・トーア東亜美容専門学校から「生徒にセミナーをしてくれ」って依頼が来て。御年90歳くらいの校長が出てきて、「あなたを覚えてるわ、卓越したわね」って言われたんです。そんな言葉をもらえると、嬉しいですね。
松永さん(松永英樹さんABBEY)に「ノブさんのカットは理にかなってるよね」って言われたときも嬉しかったですね。僕のカットは独自のやり方だけど、ベーシックをちゃんとやってきた松永さんみたいな人に、理にかなってると言われると、やっぱり自信になります。
我流でカットを極めてきたんですが、その過程で人の真似をして、「これはいいな」と思うものを取り入れながら、自分なりのスタイルを作り上げています。もちろん、まるっきりパクるわけじゃなくて、その人がどう考えてどう動いているかを分析し、アレンジしてきました。展開図が頭に浮かぶタイプじゃないけれど、ぱっと見て「ここは無駄だな」「もっとこうしたら早く切れるのに」とか、すぐに思いつくんです。それが僕の特技かもしれない。これまで20万回くらい人をカットしてきたし、カットするたびに進化しています。その経験が体に染み付いているんですよね。
僕が絶対に欠かせないと信じているのは、サロンに立ち続けて技術を磨き続けることです。現場に立たずして業界を語ることはできないと思っています。SNSがどれだけ進化しても、お客さまに直接触れることで得られるスキルや感覚は代替できない。だから僕は現場で戦い続ける。それが本物の美容師の姿だと思っています。
- プロフィール
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NOBU
大阪府出身。ル・トーア東亜美容専門学校卒業。大阪と東京のサロンで経験を積み、2014年よりALBUMのプロデューサーとして活躍。美容学校生の頃から既存のルールにとらわれず、独自の手法で技術を高め、売り上げ、集客ともに伸ばしてきた実力者。サロンワークのほか、雑誌の撮影やショーのヘア・メイクの仕事も数多くこなしている。インスタグラムのフォロワーは22.7万人以上。
Instagram:@nobuhair
(文/外山武史 撮影/泉山美代子)