SHACHUみやちのりよしさんのびよう道 〜10年売れてない美容師から応援団長へ!口座残高7万円からの逆転劇〜
なりたかった美容師にはなれた。次はみんなの応援団長になりたい
嬉しい悲鳴なんですけれど、僕1人で600万円くらい売り上げていたとき時は、仕事が苦しくなったこともありました。僕が美容師として充実感を抱いたのって、自分が300万円売り上げたときだったんですよね。お客さんを喜ばせながら、アシスタントのケアもして、メディアにも出る。セミナーやヘアショーにも出たし、昔の僕が頭の中で思い描いていたトップスタイリストになれた気がしたんですよね。それがちょうど300万円を売り上げられるようになったタイミングと同じでした。ようやく一人前になれたかなと。でもそれが、400、500、600と数字が増えていくと苦しくなりました。
そんなこともあって、デビューしたばかりのMANAMIちゃんにお客さんを振り分けて、自分はまた300万円くらいに戻したことがありました。そうしたら、MANAMIちゃんは、2カ月で売上250万円くらいいったんですよ。僕が10年かかったことを、数カ月でやっちゃった。なんだか悔しい気持ちもあるけれど、お客さまを掴んでいるってことだからすごく嬉しかったんです。こんな感じで、みんなにスポットライトをあてるのが、経営者としての僕の仕事だと気づいた瞬間でもありました。
僕はSHACHUの応援団長になりたいと思っているんですよ。SHACHUにいるときはもちろん、卒業していったとしても、また戻ってこられるような場所にしたい。SHACHUを実家みたいな感じにしたいなと。そんなのキレイごとだと思われるかもしれないけれど、僕はキレイごとでも、つぶれなかったらいいと思っているから。
僕のビジネス感覚は、すごい経営者と比べたら弱いかもしれないけれど、みんなに寄り添う力では負けないと思うし、そこだけは大切にしていきたいと思っています。こんな商売っ気がない感じでも、みんなが育ってくれるからなんとかなるものなんですよ。売上300万円の子が独立したら、また300万円売る子が現れる。その繰り返しです。僕はみんなのお父さんのつもりで、みんなが主役になれるように応援し続けます。
- プロフィール
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SHACHU
みやち のりよし
都内の有名サロンを経て、2014年4月、渋谷にSHACHUを設立。2016年12月には2店舗目であるSHACHU -SHIBUYA JINNAN-をオープンさせる。ユニコーンカラー発祥サロンでグラデーション・ハイライト・デザインカラーなどを用いたハイトーンカラーが圧倒的な支持を集めている。最近では全国セミナーやヘアショーなど海外からのオファーも多数。
(文/外山武史 撮影/菊池麻美)